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78 ※ジコ ページ28

匂いに弱いAは香水なんてつけない

なのに抱き締めるとふわっと甘い香りがする


最近は押さえ込んでる気持ちが膨らみすぎて手に負えない

いつか自分の意思に反して暴発しそうで怖くなる


Aの首筋に顔を埋め腕に力を込める

何の意味もないただのハグ

それでも幸せだと思う自分が可哀想で惨めになる


暫くそうしてたら何を勘違いしたのか《大丈夫》と口にしたAが背中を緩く撫で出した


‥Aのこういうトコ、昔から好きだった

理由を聞くでもなく慰たりもしないけど、いつだって俺の味方



その時、ふと過ぎったユグォンとAの楽しげな姿

俺の中にあった少しの優越感が吹っ飛んでジワジワと追い詰められていく


ジコ【‥チゲ鍋、食いたい】

私【ドッカ食べに‥】

ジコ【家‥来て。先に帰って、待っといて】


食べに行こうといいそうなAに鍵を差し出し有無を言わさず黙らせた


私【?‥ぅん】


その態度に不思議そうな顔をしたAが帰るのを見送りながら思った



ユグォンだろうと誰だろうと俺以外の男と付き合うAは二度と見たくない

手に入らないならソウルメイトも幼馴染みも全部終わり

‥イイ人はもうやめる









玄関前でドキドキ痛む胸を沈めるみたいに深い深呼吸をして扉を開けた



私【おかえりー】


キッチンから顔を出したAに返事もせずに思わずゴクリを喉を鳴らして唾を飲み込む


私【‥お・か・え・りー!!】


不満気な顔で俺にわざとらしく言うA


ジコ【‥しつけーよ(笑)】

私【‥おかえりって言われたら何て言うの?】

ジコ【はいはい、ただいま(笑)】


子供ををしつけるオンマみたいにプリプリするA

いつもと変わらぬ態度に体から一気に力が抜けた


私【お腹減ったー、早く食べよ!】


着替え終えてリビングに戻るとAは待ってましたとばかりにプシュッと缶ビールを開ける


ジコ【飲みたいだけだろ?】

私【‥ビールって一口目が一番美味しいよねぇ】


そんな事を言いながら俺のグラスにビールを注ぎ勢いよく飲み出した







ジコ【グォニと仲直りっつーか‥そんな感じ】

私【仲直りって‥(苦笑)】


食事を初めて数時間

本題を切り出してみたけど気まずさと後ろめたさでうまく言葉が出て来ない


私【別にケンカしてないし。何て言うかー‥前に戻っただけ?(笑)】


どこか嬉しそうな笑顔であっけらかんと言われて溜息が出た

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作者名:gyuuuu x他1人 | 作成日時:2015年4月3日 21時

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