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「しょうがない。最後の対決で決めるしか無い。銀さ・・・」
新八が銀時を振り返ると、飲み比べをしていた銀時と土方が嘔吐していた。
「オイィィ!なにやってんだ!このままじゃ勝負つかねーよ!」
「へっ、心配すんじゃねーや。俺ァまだやれる。白黒ハッキリ付けようじゃねーか」
「上等だ、コラ」
「このまま普通にやってもつまらねェ。ここはどうだ?真剣で斬ってかわしてじゃんけんぽんにしねーか?」
「上等だ、コラ」
「お前、さっきから上等だ、しか言ってねーぞ。俺が言うのもなんだけど大丈夫か?」
「上等だ、コラァ!!山崎!こいつに刀を!」
「えー、あ、ハイハイ。」
あくまで上司の命令には逆らえない山崎。土方に凄まれると簡単に真剣を銀時に渡した。
「刀なんか渡しちゃダメじゃないですか!」
「ええ、だって・・・」
「そういえば、雅さんは・・・?」
新八は酒瓶を片手に船を漕いでいる雅を発見した。近づいて新八が声をかけると、トロンとした目で顔を上げた。
「何・・・?」
(こ、これはまずい。誰かに襲われる・・・!)
あまりの破壊力に新八は雅を定春の近くに避難させ、雅を守るよう定春に言いつけた。
新八がそんなことをしている間に、勝負はもう始まってしまった。
「行くぜ」
「上等だ、コラ」
「斬ってかわしてじゃんけんぽん!!」
結果は銀時がチョキ、土方がパー。銀時はすぐさま刀を振りかざした。
「取ったァァ!!」
銀時は土方ではなく、近くの木を斬り倒した。
「心配すんな、峰打ちだ。まぁ、これに懲りたらもう俺に絡むのはやめるこったな。」
「テメェ!さっきからグーしか出してねーじゃねェか!舐めてんのか!」
土方に至っては定春とじゃんけんをしている始末。定春も律儀にじゃんけんに付き合っている。
「はぁ。お互い妙な上司が居て大変ですね。」
「まったく。」
そんな2人をみながら、新八と山崎はため息をついた。
「オーイ、雅起きろ。ほら、水飲め、水」
勝負のほとぼりも冷め、再び飲み直していたが、中々雅が起きない。銀時が頬に冷水を当てれば、ようやく目を覚ました。
「こんなとこで寝るな。チンピラ警察に襲われるぞ」
「じゃあ銀時が見張ってて・・・」
そう言って今度は銀時の膝の上で眠る雅。完全にいつもとは真逆の2人であった。
その時の銀時は、見たこともない程優しい目をしていたとか、していないとか。(新八談)
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時