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「"人の一生は重き荷を持って遠き道を往くが如し"
昔なァ、徳川田信秀というオッサンが言った言葉でなァ・・・」
「誰だそのミックス大名!家康公だ家康公!!」
「最初にきいた時は何を辛気くせーことをなんて思ったが、なかなかどーして年寄の言うこたァバカにできねーな・・・」
桂と雅に背を向けたまま銀時は喋り出す。雅はその背中をただ見つめていた。
「荷物ってんじゃねーが、誰でも両手に大事に何か抱えてるもんだ。だがかついでる時にゃ気づきゃしねー。
その重さに気づくのは全部手元からすべり落ちた時だ。もうこんなんもたねェと何度思ったか知れねェ。なのに・・・
またいつの間にか背負い込んでんだ。いっそ捨てちまえば楽になるんだろうが、どーにもそーゆー気になれねェ。
雅はそっと銀時の右隣に並ぶと、その髪を藤色の紐で縛った。
「よし。じゃあ弟達を迎えに行きますか。」
「・・・仕方あるまい。お前達には池田屋の借りがあるからな。・・・ゆくぞ。」
「あ?」
そう言って桂も銀時の左隣に立つ。銀時は桂の言葉に眉根を寄せた。
「片腕では荷物などもてまいよ。今から俺がお前の左腕だ。」
「じゃあ私は肋骨ね。」
「左腕はまだ分かるけど肋骨になるって何?」
「まあまあ。あんまり細かいこと気にすると天パになるよ」
「もうなってんだよ!!」
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時