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「なんか困ったことがあったらとりあえず殺っときゃいいんだよ。パパッと殺って帰るぞ。夕方から見てェドラマの再放送があるんだ」
「俺もだ」
「陀絡さん、この女は連れて帰りましょう。いい女だ。殺すにはもったいない」
「好きにしろ。」
ほら、行くぞと手を引かれる雅を、銀時は心配そうに見つめた。しかし、雅のもとに行こうにも、この陀絡とやらが邪魔だ。
「汚い手で触らないで。」
雅のその一言に天人達は笑い声をあげた。
「何言ってやがる。女は男の相手をするのが仕事だろ?」
「私はアンタ達が触れていいほど安い女じゃないの」
「自分の立場が分かってねェようだな。お前の首は俺たちにかかってるんだぜ?」
「じゃあどっちの首が早く落ちるか、試してみる?」
雅は自分を拘束していた天人を蹴り飛ばすと、懐から短刀を取りだしてほかの天人へ先を向けた。
そこへ銀時も加勢して木刀で天人を殴る。
陀絡以外の天人を倒し、公子を持ち上げると男子トイレから脱出しようと戸を開いた。
しかし、男子トイレの外は大量の天人たちに囲まれていた。
「オイオイ、みんなで仲良く連れションですか・・・便器足んねーよ・・・」
雅は眉間に皺を寄せ、銀時は引きつった笑みを浮かべ辺りを見回す。すると、男子トイレを囲む天人たちの奥が騒がしいことに気がついた。
「オラッちゃっちゃと歩かんかィ!」
「!!」
雅と銀時が見たのは、新八と神楽が天人に捕まり連行されている所だった。神楽はまっすぐ歩いていたが、新八はフラフラで天人に怒鳴られている。
「新八!!神楽!!」
「何・・・オイどーしたんだ!?てめーらァァ!なにしやがった!!」
「お前・・・目障りなんだよ」
「銀時!!」
陀絡に肩を刺され、そのまま窓から突き落とされた銀時を追いかけるように雅も窓の外へ身を投げた。
雅は魘される銀時の手を、祈るような気持ちで握っていた。
運良く落ちたところを桂一派に拾われた雅達は、そのまま桂のアジトで匿われていた。
幸い、雅は軽く頭を打った程度で済んだが、銀時は左腕と肋骨を骨折、公子は薬漬けで内臓がボロボロだ。
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時