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豪華なお屋敷。ししおどしの音に趣を感じる広い日本庭園。
雅達は依頼人の家にお邪魔していた。
「いや今までも2日3日家を空けることはあったんだけどね。さすがに1週間ともなると・・・連絡もないし、友達に聞いても誰も何も知らんときた。」
依頼人のふくよかな男性は心配そうに眉を寄せている。しかし肝心の万事屋の社長は、二日酔いでボーッとしている。
「だからもうやめとけって言ったのに。」
昨晩も雅と飲んでいた銀時は、雅の忠告も聞かずに吐くまで飲んだのだ。自業自得ってやつだ。
「親の私が言うのもなんだがキレイな娘だから、何かよからぬことに巻き込まれているのではないかと・・・」
依頼人の見せた写真にはガングロに金髪の、ぽっちゃりした女性が写っていた。完全に父親似である。
「そーっスねェ、なにか・・・こう巨大な・・・ハムを作る機械とかに巻き込まれている可能性がありますね。」
「なに適当なこと言ってるの」
「いやそーゆんじゃなくて、なんか事件とかに巻き込まれてんじゃないかと・・・」
「事件?あー、ハム事件とか?」
「オイたいがいにしろよ。せっかく来た仕事パーにするつもりか」
まるでやる気のない銀時に、雅と新八が小声でツッコミを入れた。
「でも、ホントコレ僕らでいいんですかね?警察に相談した方がいいんじゃないですか」
「そんな大事にはできん。我が家は幕府開府以来徳川家に仕えてきた、由緒正しき家柄。娘が夜な夜な遊び歩いているなどと知れたら一族の恥だ。
なんとか内密のうちに連れ帰って欲しい。」
という訳で、そのハム子(仮)を探しに天人の集まるクラブへやってきた。
「あー?知らねーよこんな女」
「この店によく遊びに来てたゆーてたヨ」
「んなこと言われてもよォ嬢ちゃん。地球人の顔なんて見分けつかねーんだよ・・・名前とかは?」
「えーと・・・ハ、ハム子・・・」
「ウソつけんじゃねェ!明らかに今つけたろ!そんな投げやりな名前つける親がいるか!!」
神楽が鳥の天人に写真を見せるも分からないらしい。
雅は店の中を見渡した。どこを見ても天人だらけで、地球人は見当たらない。
「神楽ちゃんに任せてたら永遠に仕事終わりませんよ。」
「あー、もういいんだよ。どーせどっかの男の家にでも転がり込んでんだろ。あのバカ娘・・・」
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時