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雅はスーパーを出て帰路に着くと、貼り紙に人だかりが出来ているのをみつけた。不思議に思って近づくと、貼り紙にはこうあった。
『銀髪の侍へ!!てめェコノヤローすぐに真選組屯所に出頭してこいコラ!警察なめんなよ! 真選組』
(銀髪の侍ってまさか銀時?しかも真選組って・・・)
雅は先日の爆破事件のことを思い出した。でも、あの件についての取り調べはもう終わったはずだ。
今ひとつピンと来ないまま、雅は貼り紙を剥がし取って銀時の元へ走り出した。
(もしやお妙ちゃんのストーカー?あの人が真選組だった?)
雅が到着した時、銀時は梯子から降りてきている所で、何やら揉めている様子だ。
「銀時!」
「雅か。どうした?そんなに急いで。寂しくなったか?」
「違うの!これ、銀時の事じゃ・・・」
雅は銀時に貼り紙を見せると同時に、今まで銀時と揉めていた相手、真選組の土方十四郎を視界に入れた。
「あなたは・・・」
「てめーら、池田屋の時の・・・そうか。そういやてめーも銀髪だったな。」
「えーっと、君誰?ああ。もしかして多串君か?あらら〜すっかり立派になっちゃて。何。間だあの金魚でかくなってんの?」
「オーイ、銀さん!早くこっち頼むって!」
「はいよ。じゃあ多串君。俺仕事だから。雅も早いとこ帰れよ。」
銀時はまた梯子を登っていった。その様子を呆然と眺める雅と沖田、そして多串君(仮)。
「行っちゃいやしたよ。どうしやす?多串君。」
「誰が大串君だ。あんにゃろー、人のこと忘れやがって。」
「いや、普通忘れると思いやすぜ。」
「総悟。ちょっと刀貸せ。」
土方は沖田から刀を受け取ると、銀時を追いかけて梯子を登って行った。
「あの。銀時がどうしてこんなに恨みを買っているんでしょうか。」
「うちの局長が、女をかけた決闘でこっ酷くやられちまってねェ。それがあの銀髪の旦那らしいんでさァ。」
「局長って・・・あの人、真選組の局長だったんですか!」
「おや、知ってるんですかィ」
「実は、私の友人があの人にストーカーされていて・・・」
雅は沖田に事の次第を説明した。まさかあのストーカーが真選組の局長だったとは。
警察が犯罪者だなんて、もう救いようがない。
その時、屋根の上から瓦の割れる音が聞こえた。沖田と雅は
様子が見える場所まで移動した。
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時