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銀時と雅を真っ直ぐに見据える桂は、戦時中のことを思い起こしていた。
「これまでか・・・敵の手に掛かるより、最後は武士らしく、潔く腹を切ろう。」
「バカ言ってんじゃねーよ。美しく最後を飾りつける暇があるなら、最後まで美しく生きようじゃねェか。」
「行くぜ、ヅラ」
「ヅラじゃない、桂だ」
最後までいつも通りのやり取り。大量の天人達に囲まれながらも、2人は敵に飛びかかった。
銀時は間断なく敵を斬って走る。己の身が斬られようともその足を止めることはなかった。
桂の眼前に敵の刃が迫る。今度こそ本当にダメだ、と覚悟したその時。
敵の剣を振りあげた手のひらに矢が刺さる。突然の痛みに悶えながらも、敵は剣を取り落とした。
それからも敵が次々と射られていく。そのどれもが急所に刺さっており、一撃で死に至るものばかりだった。
──その男、銀色の髪に血を浴び戦場を狩る姿はまさしく夜叉。
「天人との戦において鬼神のごとき働きをやってのけ、敵は愚か、味方からも恐れられた武士達よ、我らと共に再び天人共と戦おうではないか!」
「2人とも、攘夷戦争に参加してたんですか?」
「銀時は戦が終わると同時に姿を消したがな。お前の考える事は昔からよく分からん。」
「俺ァ派手な喧嘩は好きだが、そういう辛気臭ェのは嫌いなの。俺たちの戦はもう終わったんだよ。それをいつまでもネチネチネチネチ、姑か?お前は」
「バカか貴様は!女子は皆ネチネチしている!そういう全てを包み込む度量がないから、貴様はモテないんだ」
「うわ、変化球で貶された」
「コノヤロー。俺がもし天然パーマじゃなかったらモテモテだぞ?多分。」
「なんでも天然パーマのせいにして自己を保っているのか。哀しい男だ」
「哀しくなんかないわ。人はコンプレックスをバネにしてより高みを・・・」
「アンタら!!なんの話ししてんの!」
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時