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『──新しい情報が入りました!監視カメラに犯人と思われる人物が!うわぁ、バッチリ写ってますね』
「ホントにバッチリ写っちゃってるよ。どうしよう。姉上に殺される・・・」
「テレビ出演!実家に電話しなきゃ!!」
「なにかの陰謀ですかね、こりゃ。なんで僕らがこんな目に・・・唯一、桂さんに会えたのが不幸中の幸いでしたよ。こんな状態の僕ら匿ってくれるなんて・・・
銀さんと雅さん、知り合いなんですよね!一体、どういう人なんですか?」
「ん〜、爆弾魔」
寝転がり、煎餅を頬張りながら答える銀時。その答えを聞いて、新八の顔がひきつった。
(ヅラは最初から大使館の前にいた。とすると、こりゃいっぱい食わされたかね)
「そんな言い方はよせ、銀時。我々は爆弾魔などでは無い。我々は、攘夷志士だ。」
「この国を穢す害虫、天人を打ち払い、もう一度侍の国を建て直す。我々が行うは、国を守るがための攘夷だ。」
「攘夷志士だって?」
「なんじゃそらヨ」
攘夷とは、天人を国から排除しようとする思想。今では表立った志士はいなくなったが、昔はもっと活発な運動が展開されていた。
「どうやら、俺たちは踊らされたらしい。」
「そうみたいね」
「なァオイ。飛脚のあんちゃんよ」
「あ!ホントネ!あのゲジゲジ眉デジャヴ!!」
「全部テメーの仕業か、桂。最近世を騒がす事件、今回のことも。」
「例え汚い手を使おうとも手に入れたい物があったのさ。」
それにしても、大使館爆破の罪を着せるために一芝居打つとは、大したものだ。
ハナから私たちを狙ったのか、それともまったくの偶然か。
「銀時、雅。この腐った国を建て直すため、再び俺と共に剣を取らんか。白夜叉、無名の
「無名の射手人?何その名前」
「お前は頑なに自分の素性を明かそうとしかなっただろう。それゆえ名を知るものが少数なのだ。」
雅は攘夷戦争の際、攘夷四天王と呼ばれる男たちの前以外ではあまり喋らなかった。名乗るときも氏しか言わなかったため、こうして"無名"として伝説に残ることになったのだ。
では射手人と呼ばれるのはなぜか。雅は弓の名手であった。その腕前は、当代の那須与一と謳われる程。
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時