浮世は風【銀魂】 (ページ20)

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「俺が以前から買い溜めしていた大量のチョコが姿を消した。食べた奴は正直に手ェあげろ。今なら4分の3殺しで許してやる。」

「4分の3ってほとんど死んでんじゃないスか。っていうかアンタいい加減にしないと、ホント糖尿になりますよ？」

「新八の言う通りよ。そろそろ糖分離れする時なんじゃない？」

「またも狙われた大使館。連続爆破事件強行続く。物騒な世の中アルな〜。私コワイよパピー、マミー。」

新聞を読む神楽の鼻から鼻血が流れ出す。銀時はそんな神楽の顔をつかんだ。

「怖いのはおめーだよ。幸せそうに鼻血垂らしやがって。美味かったか？俺のチョコは」

「チョコ食べて鼻血なんてそんなベタな〜」

「とぼけんなァー！鼻血から糖分の匂いがプンプンプーン！」

「バカ言うな。ちょっと鼻くそ深追いしただけヨ」

「年頃の娘がそんなに深追いする訳ねーだろ。定年間近のデカか！お前は！」

「例えが分かんねーよ！っていうか落ち着けェェ！」

「ハイハイ。もうわかったから。ほら、神楽こっち向いて」

雅は神楽の鼻にティッシュを当てた。銀時と神楽はこうやって仲裁しなければ、いつまでも不毛なやり取りを続けるのだ。

──突然、ドシャァァ！と、大きな音がした。外にでて見てみれば、1階のスナック菓子にバイクが突っ込んだらしい。

「コラァァァ！！ワレェ！人の店に何してくれとんじゃァ！覚悟はできてんだろうなァ？」

「す、すみません。昨日から余り寝てなかったんで･･･」

「今永遠に眠らせたらァァ！！」

「お登勢さん！！怪我人相手にそんな･･･」

怒り心頭の様子で拳を振り上げるお登勢。止めたのは新八だった。

「大丈夫ですか？」

「へ、へい･･･」

「こりゃ酷いや。神楽ちゃん、救急車呼んで」

「救急車ァァァ！！」

「誰がそんな原始的な呼び方しろっつったよ！！」

大声を張り上げる神楽と、キレキレにツッコミをかます銀時。雅は地面に散らばる封筒をひとつ拾い上げた。

「飛脚、ですか。」

「届けモン偉い事になってんぞ」

「コ、コレ･･･コレを俺の代わりに届けてください。お願い･･･」

言葉も途切れ途切れに飛脚の男は言った。どうやら大事なものらしく、きちんと届けられなければ自分はクビになってしまうかもしれないらしい。