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新八は再び今の状況を整理しようと前を見据えた。
銀時とキャサリンの密会、それを発見した銀時の恋人(仮)の雅・・・
(マズイ!!修羅場だ!!!)
「み、雅さん!!どうしたんですか?も、もう帰ったのかと・・・」
「新八がお腹空かせてるかなって、ご飯の材料買ってきたの」
「そ!そうだったんですね!僕、ホントお腹すいてたんですよ!」
(雅さんからキャサリンさんは見えてないのか・・・?とりあえず、怒ってないみたいだ。)
新八がほっと胸を撫で下ろし、安堵のため息をついた。
「愚民どもよー私の力の前に平伏すがいい!」
新八の背後から神楽が現れた。どうやら寝ぼけているらしく、目を瞑ったまま腰に手を当てて笑い声を上げている。
「オイ」
銀時の一声で神楽はふっと目を覚ました。銀時はキャサリンを指さしていた。
「アレ、俺の原チャリに似てるな。」
「イイ人バッカリネ。」
「そう言えば後ろに積んである傘、私のにそっくりアルな」
「なんだいこんな丑三つ時に」
遂にお登勢までが騒ぎを聞きつけてやって来た。お登勢はキャサリンの姿を見ると何かに気づいたように目を見開いた。
「アバヨ!腐レババア!!」
スクーターを盗まれた銀時と、番傘を盗まれた神楽が拳を握りしめる。
通りかかったタクシーを強奪すると、そのままキャサリンを追いかけて行った。
(アレ?今、神楽が運転席に乗ってなかった?)
お登勢の隣に立ち尽くす雅は3人が無事に帰って来ることを祈るばかりだった。
辺りがすっかり明るくなった頃、銀時達は帰ってきた。
「おかえりなさい。お腹すいたでしょ?ご飯出来てるよ」
雅はびしょ濡れの3人に嫌な顔ひとつせず、いつもの優しい笑顔で出迎えたのであった。
キャサリンは出所した後、スナックお登勢で働くことになった。
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時