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「はぁ。」
新八がため息をつく。今日もいつも通り銀時とお登勢の小競り合いが勃発していた。
そんな事は我関せずといったふうに、神楽スナックお登勢のご飯を夢中で食べていた。
全て食べ尽くしてしまうと、銀時に噛み付く新八にものを投げつけて、そのまま寝てしまったのだった。
「血が!血がァァ!!」
「大丈夫デスカ。コレデ抑エルトイイデスヨ」
そう言って手拭いを差し出したのは、ボブカットに猫耳の、凛々しい眉をした女性だった。
「あら、初めて見る顔だな。新入りか」
「ハイ。コノアイダカラ働カセテイタダイテマス。キャサリンイイマス。」
「彼女、出稼ぎでここに来た口でねェ。実家に仕送りするために頑張ってんだ。」
「ヨロシクオネガイシマス。」
「客あしらいは上手いし、よくやってくれてるよ。」
「トンデモ8分、アルイテ10分デス」
日本語は片言だが、確かにこれは上手だ。雅は思わず感嘆の息を漏らした。
「大したもんだ。その上、ギャグのセンスも侮れない。」
「えぇ〜?そう?」
「どっかの誰かなんて、ツッコミは出来んし、ボケも無理!もう1人は己の食欲を満たす事だけに・・・んがァァ!」
もう1人から炊飯器の逆襲を食らう銀時。「もう食べられない」という寝言には全員が「そりゃそうだ」とつっこんだ。
「じゃ、辛いこともしんどいことも耐えられないこともあるだろうけど、頑張って。」
「アリガトウゴザイマス」
「今が辛いと思っても、この先もっともっと辛いことがあるからな。それを思えば耐えられるってもんだよ」
「銀時って、そんな気の利いた台詞言えるんだ」
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時