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「きいやァァァ!ホンマにやりおったァァ!!!」
その途端、船は平衡を保てなくなり海へ向かって真っ逆さまに落ちていった。
ノーパンしゃぶしゃぶ天国なんてものを企んでいた天人は皆捕まり、志村家を苦しめていた借金から姉弟は解放された。
そしてもうひとつ。万事屋に新しい従業員、志村新八が加わったのだった。
──その半月後。
万事屋生活にもすっかり慣れてきた新八は、雅と共に万事屋へと続く階段を登っていた。
現在万事屋の入口には銀時とお登勢の家賃論争が繰り広がっており、雅も新八も呆れたようにため息をついた。
「どーすんスか、生活費までひっぱがされて・・・今月の僕の給料ちゃんと出るんでしょーね」
「腎臓ってよォ、2つもあんのなんか邪魔じゃない?」
「邪魔だと思ってるならさっさと売ってお金作ったら?
はい、新八君」
雅はお茶を2杯淹れて新八に出した。銀時はテレビをつけようとリモコンを操作したが、故障しているせいか砂嵐しか出てこない。
「オ・・・はいった」
『──現在謎の生物は新宿方面に向かっていると思われます。ご近所にお住まいの方は・・・』
「オイオイ、またターミナルから宇宙生物侵入か?最近多いねェ」
「今は宇宙生物よりどーやって生計立てるかの方が問題スよ」
ちょうどその時、インターホンが鳴った。またお登勢が来たと勘違いした銀時が、飛び蹴りでお出迎えすれば、どうやらやって来たのは依頼人だったらしい。
依頼人は幕府の重鎮、長谷川泰造であった。
現在雅たち万事屋一行は、黒塗りの車に乗せられてどこかへ移動中である。
・・・というか、殆ど連行されているようなものだが。
「入国管理局の長谷川泰造っていったら、天人の出入国の一切を取り締まってる幕府の重鎮スよ」
「そんなお偉いさんがわざわざうちに何の用かね」
「何の用ですかおじさん」
新八の雅が顔を寄せ合ってコソコソと喋りあう。すると聞いていたらしい銀時が長谷川に問いかけた。
「糞ガキ」
雅がこっそりそう言えば、銀時にぱちんと頭を叩かれた。
「万事屋つったっけ?金さえ積めば何でもやってくれる奴がいるって聞いてさ。ちょっと仕事頼みたくてね」
「仕事だァ?
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時