高学歴は面倒くさい恋をするか。 (ページ9)

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見つけること、気づくこと。【ini】ページ9

乾×貴方

貴方side

「好きな人欲しいな〜」

乾「つくればええやん」

「馬鹿！無理だから言ってるんでしょ！？」

乾「うお、情緒不安定」

ごめんね乾、いつもこんなに短気なわけじゃないんだよ。
彼氏と別れて早一年、自分のインスタを遡ってみれば、リア充だった頃のハッピーな写真と、独り身なうの食べ物ばっかりな写真との差に愕然とした。
あと、親友が結婚した。

こんなにもリア充の雰囲気を漂わせる乾に言っても悲しくなるだけだけど。
彼女はいないらしいから、現状は私とどっこいどっこいってことにしてよ。

「いいよね乾は、どうせ引く手数多なんでしょ」

乾「別にそうでもないけど」

「あのバレンタインを経験しておいて違うとかおかしいって」

今年のバレンタイン、乾は可愛い後輩と綺麗な先輩、イケイケな女友達からビビるほどチョコを貰っていた。
二つほど私を経由するチョコがあったから、一つ食べようとした。結局、その子が可哀想で諦めた。

乾「そういうAこそ、山本さんとかとご飯いってるじゃん、二人で！」

「山本さんとは恋愛とかじゃないよ！？山本さん彼女いるし」

乾「こうちゃんとも会ってるらしいじゃん」

「こうちゃんは友達！何！？今日乾おかしいよ！」

急に問い詰めやがって！

乾「Aだって、俺がモテるみたいな言い方してるけど、本当にそういうんじゃないって！

なんで気にするの！？」

「乾も、なんで私の周りの男の人の話出してくるの！？」

はあ、はあ、はあ

この子供みたいな口論は何なんだ。
これでも両方東大卒だぞ。

でも、確かに私はなんで気にしていたんだろう。
別に私が乾を好きな訳じゃないし、モテてようと構わないんじゃないの？

あれ、本当に好きじゃないの？

あれ、好きなのかな？

「いやいやいや...」

乾「いやいやいや...」

思わず口に出たちょっと待ての気持ちは、二人分だった。

びっくりして、乾の顔を見た。

びっくりするほど、かっこよく見えた。

好きな人を見つけるのは大変だけど、

好きな人に気づくことも大変らしい。

「...好きな人、見つけた」

乾「へえ、よかったじゃん」

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ベッターの再掲です！