高学歴は面倒くさい恋をするか。 (ページ1)

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あなたと間違えたい。【mon】ページ1

東問×貴方

貴方side
昨日、たまたま髪を切った。

それに最初に気付いた異性は、問くんだった。

同期皆でご飯を食べていたら、いつの間にか隣にいたみたいだ。

問「髪切った？」

「えっ、切った」

よく気付いたね、と驚いて呟く。

気付いて貰えて嬉しい様な、もっと別の、私の中で一番の人に気付いて欲しかった様な。

今日も彼の為に朝ご飯を作って、家を出る時には顔を合わせたのに。何なら切ったすぐ後にも一緒に居たのに。

彼は、気付かなかった。

聞いた？ただの同期だって気付けるんだよ。

きっと私を一番とはもう思っていない彼に、届く訳ないのに言う。

問「いつも以上に可愛いね〜、似合ってる」

「、ありがとう」

ナチュラルな褒め言葉も、タイミングが悪かったのか、彼氏の存在も忘れてときめきに変換されてしまう。

ああ、今「恋人いる？」って聞かれたら、私なんて言うのかな。

何となく彼氏に後ろめたさと感じたまま、解散になった。

問「Aちゃんもこの電車？」

「うん、問くんもこっちか」

そして、何となく一緒に電車に乗った。

程よい距離感で隣に座り、気まずくない沈黙を共有していた。

だが、暫く経つと駆け引きのように問くんが近付き、手が触れた。
拒んだり、近付いたりもしないで、ただ静かにしている私。

彼氏は忘れて、最近感じていないドキドキが欲しい。

でも、家には帰してね。

あなたと間違えるのは、少しだけで良い。

問「…帰る？」

「今日は、帰る」