面倒くさがりの俺と天然気質の彼女 4

リングピロー ページ17

『いたっ！』

ト｢おいおい...大丈夫か？｣

『大丈夫...』

ト｢一旦休憩しよう？な？｣


結婚式が近付いてきたある日、リングピローを準備してない事に気付きチーに相談した。市販のものを買うのもアリだけど、せっかくなら自分好みのものを作った方が良くないですか？と提案を受けて、2人でイメージイラストを描いたらチーが台紙を作ってくれた。それ通りに切った生地を縫って、綿を詰めれば良いだけだと聞いてたけどやはり手芸は難しい。


ト｢俺やろうか？｣

『ううん、私がやりたい。』


心配だから止めたいのは山々だけど、彼女のやりたいことならサポートしてやりたい。ハートのクッションタイプのリングピローを作る為にとりあえず外枠を縫っている所だし、もう少し様子を見よう。


『んん...やっぱりこれだと緩んじゃうかも...』

ト｢縫い方変えてみる？｣


リビングであーでもないこーでもないと相談してると、チーが箱を抱えてやってきた。


チ｢お節介だったら申し訳ないんだけどね、私がリングピロー作った時の余り物のレースで蝶を作ったの。リングピローに付けたりしない？｣

『うわぁ...可愛い！！いいの？付けてもいい？』

チ｢勿論！蝶の真ん中だけを縫い付けたら羽根が浮いていい感じだと思うんだけど...｣

『まだ何も縫えてないの...後で付けるね？』

チ｢いやいや、何も縫えてない時にさせて？裏面で縁を縫い付けるから表に付けるの難しくなっちゃうでしょ？笑｣

『はっ！そっか...難しい...』

チ｢蝶だけ縫っていい？｣

『うん、お願いします』

チ｢どこがいいです？｣

ト｢どこがいいと思う？｣

チ｢リングピローの写真を撮る時に下の方に蝶をつけると羽根がリングに被る可能性があるんで、それなら上の方に付けた方がいいかと...｣

ト｢お前もしかして天才じゃね？｣

チ｢あ、気付いちゃいました？笑｣

『チーちゃん天才だあ〜〜！！』


チーはレースを数枚重ねて縁を細かく縫い蝶の形にした装飾を取り出して、リングピローに縫い付け始めた。やはりこういう所は器用だな。


チ｢あのね、ふぅちゃん。私ってさぁ手芸得意だけど今まで全然楽しめなかったんだよね。でも、カンタくんと結婚する為にリングピロー作るのすごく楽しかった。ふぅちゃんは苦手かもしれないけど、楽しんで欲しい。結婚式までの過程だって2人の大切な思い出だと思うよ。｣

『チーちゃぁん...』

チ｢大丈夫、富永さんとならリングピロー作れるよ。｣

『もう大好き！！！』

＊→←君の髪飾り ﾘｸ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す