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｢何あの子達！退場にできないの！？｣
｢落ち着け相葉くん、まずはコンサートを無事に…｣
｢落ち着いてられないよ！だって、辻くんがあんなに悪く言われてんだよ！？｣
｢だからといって今俺たちができる事はないだろ！？｣
二宮くんのソロの時、後ろにはけた瞬間言い合いになる松本くんと相葉くん。
｢2人とも落ち着いて、僕は大丈夫だから｣
｢そんな顔してたら説得力ないよ！辻くん！｣
｢僕今お面つけてるから表情見えないよ｣
｢そうだけど！？｣
次の衣装へ着替えながら相葉くんは、一部のファンの子達に
怒りを露わにする。
｢相葉くん、今は待とう。｣
｢翔ちゃんまでぇ！！｣
｢下手に刺激しない方がいいですね…｣
相葉くんをなだめるように翔くんがスタッフさんと話しする。
｢大丈夫、僕は大丈夫だよ｣
自分にも言い聞かせるように、僕はそうつぶやいた。
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そのあとのコンサートは続き、いよいよ僕のソロの番になった。
前が翔くんと松本くんのデュエット。
僕がやるのはダンスが基本のナンバーだった。
照明が落ち、舞台の位置へつく。
怖い。
みんなの顔を見るのが怖い。
踊るのが怖い。
このまま明かりが付かなければいいのに。
あのうちわに書いてあった言葉ですっかり臆病になってしまった。
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Aのパートが終わって、Aが裏へはけてくる。
死角に入った瞬間、力が抜けたようにAが倒れかけたのを咄嗟に抱きかかえる。
｢A！！｣
｢ごめ、翔くん…大丈夫、大丈夫だから」
さっきまであんなに力強く歌っていた声とは程遠く、Aの声は震えていた。
ラスト一曲だけだから、とおぼつかない足取りで衣装を着替えに行くAを見て、今まで口を開かなかった智くんがAを抱きしめた。
｢大丈夫、俺が…俺が護るから。｣
そのときのAの表情は、俺らからは見えなかった。
けど確かに、泣いていた。
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作者名：ライズ | 作成日時：2019年8月7日 15時
