マカロナージュなホワイトデー【T.M】 (ページ39)

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「行くぞとうきょー！！！！」

ﾊﾞｰﾝｯ

「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁー！！！」」」

岬「すんごい悲鳴ね。」

『ほんと。こんなに響くんだね。』

岬「あ、いきなり増田さんだよ！」

『えっ』

貴久「ﾐｽﾀｰｲﾝﾎﾟｯｼﾌﾞﾙ夢へﾅﾋﾞｹﾞｰｼｮﾝ
手にした鍵空に翳せ」

あの時から聞いていた貴久の歌声。

少し声は低くなってるけど、優しい声は変わってない。

岬「こうやって見るとさ、人の力って凄いよね。」

『見る人を笑顔にさせる、
そんな仕事がしたいって

貴久言ってた。』

岬「叶ってる……」

『ほんと。あの時別れてないと貴久の夢、叶えられなかったかもしれない。』

岬「うん。」

『岬はそれが分かってたから別れたの？』

岬「うん。祐也が目指してるのは私の夢なんかよりずっと大きな夢だって知ってたし、
祐也が決めたことは私も全力で応援したいと思ったの。

まぁだから振ったってことはもう祐也にバレてると思うけどね。」

『あの時私がもうちょっと大人だったら……

貴久の気持ちも考えられたんだろうな。』

岬「でも増田さんはそういうAに惚れた。そうでしょ？」

『え……』

岬「ほら、増田さん、ずっとAの事見てるよ?」

『貴久……』

一生懸命歌ってる姿に涙が頬を伝う。

『貴久……

たかひさ！！！』

私は全力で手を振る。

そしたら貴久は精一杯笑って手を振ってくれた。

――――――――貴久が、

私のために笑ってくれてる。

そう思うと胸が一杯になった。