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16 夏の果て ページ19

逃げて、


逃げて、



ただ逃げ惑う。


昨日、遊園地にいたことが不味かったのだろうか。

そんなことにより逃げないと。




残り僅かな時間を生きた証を残すように精一杯蝉が鳴く。


水分が抜けた体がふらつき始める。



遠くでゆらりと揺れた陽炎が俺たちを飲み込んだ。




後ろから怒号を上げ、迫ってくる有象無象の空蝉たち。


何を言っているかなんて聞こえない。




聞きたくもない。






絶望的な状況から逃れたくて。



そんな時は何時だって大切なものを取り零す。




突然、隣を走っていたAが立ち止まる。




肩で息をしながらにっこりと笑い、




「いーよ。もう諦めよう。」


何言ってるんだ。と言おうとした俺を遮ってAは、


「私、総悟が傍に居るからここまでこれた。だからもういいよ。




もういいよ。





死ぬのは私一人でいいよ。」


そう言って、用意してあったかのようにナイフを鞄から取り出す。


その鋭い切っ先を首にあて、Aは微笑んだ。




「ありがとう。」




何の迷いも無く、真っ直ぐ横にナイフを引く。







伸ばした手は届かない。






眼前に鮮血が繁吹く。





ほら、大切なものはいつも、



守れない。





俺のナイフは鞄の底のまま。

騾昴°縺ェ縺?〒→←15 崩れ行く観覧車



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まめ(プロフ) - ゆらゆらさん» わぁぁぁ!ありがとうございます!凄く嬉しいです! ゆっくりですがこれからも頑張りますので読んでいただけると嬉しいです!! (2020年8月4日 17時) (レス) id: 857664c7be (このIDを非表示/違反報告)
ゆらゆら - 関連作品の欄でタイトルがとても魅力的で 読み進めていくとどんどん物語の中に引き込まれていっちゃいました(笑) まめ様の投稿 とても楽しみに待っております(*^^*) (2020年7月19日 21時) (レス) id: 19ca8d39db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめ | 作成日時:2020年6月24日 21時

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