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ふと意識がゆるやかに覚醒する感覚。
眩しい光が瞼を通過し眼球を刺激していた。
目を開ければ見知らぬ天井…そうだ、ここは軍だ。
ベッドの上で蹲るようにして身体を丸めて眠っていた私は、少し手足を動かそうとすれば錆び付いた金属のように不細工な音を立てる身体を無理矢理に稼働させ、その節々の痛みと不快感に堪らず顔をしかめた。
痛みに耐えゆっくりと身体を起こせば、真っ先にナイトテーブルの上に睡眠薬の空き袋が目に入る。
相変わらず、私は薬がないと安眠どころか眠りにさえつけない。
生命活動にさえ否定的な己の体にうんざりしながらも、私は昨日交わした人との会話の中で、最も印象深い台詞を思い出していた。
『……"ちょっとずつ仲良く"、か…』
それはゾムさんの言葉だ。
何故寝起き一番に浮かび上がる程深く印象付けられていたのか。理由は簡単だ。
…今までただの一度も言われたことのない、私の耳には慣れない響きを持った言葉だったから。
殺し屋という特殊な職業故、特定の一人、または大勢と深い人間関係など築いたことのない私にとって、その言葉は正直違和感しか感じなかった。
同業者同士で"互いに歩み寄る"という発想がそもそも無い世界に、私は何年も生きていたのだから、急に「仲良くできたら」なんて言われたら、何というか……困ってしまう、凄く。変に勘繰ってしまい、どうしたらいいかわからなくなるのだ。
戸惑いを隠せず、
_______『なら、仲良く…なれるといいですね』
…なんて、可愛げのない言葉を吐いてしまったくらいだから。
溜め息を吐きつつ私はいよいよベッドから立ち上がり、寝間着を脱ぎ始めた、
丁度その時だ。
「Aちゃん起きとるー？」
_______能天気な声と共に、部屋の扉が開け放たれたのは。
『…！？』
そこにいたのは、大先生さん。
何の意図がありノックもせず女性の部屋を訪れたのかは不明だが、これは後で総統サマに制裁を依頼しなければいけないな…と私は決意を固めた。
……何しろ今私の上半身、下着一枚なのだ。
数秒間の沈黙の後、彼は大きな瞳をぱちくりさせながら呆けた顔をして……
「っ！
キャーっAちゃんのえっちぃ！」
…叫び声を上げる。
それで部屋から去ってくれたのならまだ弁明の余地はあったが、彼は両手で自らの顔を覆い隠し………
人差し指と中指の隙間から、食い入るように此方を凝視していた。
『貴方今この世で一番ふざけた顔してますよ』
そう一言告げた直後、私は昨晩人知れずロボロさんから手渡されたインカムを起動させた。
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
