25 ページ26
まぁ別に住む分には何の問題もないし、多少長期に渡っても構わない。
『…………なら、
宜しくお願いします』
_____________私の身体。
最後に、心の中で付け足した。
「あぁ、宜しくな！」
総統サマの抱擁に軽く応じれば、私を口説き落とすという大仕事を終えた彼は、気の抜けたような笑顔を浮かべた。
それを見て、ほんの少しだけ私も笑う。
私が総統サマを善意で助けたように、
彼もまた、他意のない善意で私を救おうとしてくれていることを、
…その笑顔を見て、私はようやく信用することができたから。
「宜しくお願いします」
「ほんま、歓迎するでAさん」
「慣れるまで大変やと思うけど、俺らも協力させてもらうからな」
各々の言葉で歓迎を示してくれる幹部たち。
今までは私と総統サマの会話を大人しく静観していた彼等だが、私が渋々承諾をすれば、沸き立つように笑顔を浮かべて近付いてきた。
中には握手を求め、更に親睦を深めようとしてくれる人もいる。
「今日は歓迎会やなA！酒！飯！
シャオロン、料理長に飯大量に作れ言うといてな！」
「はいはい、分かったから、ゾム酒は程々にな。あと食害も。
……ふっ、にしても
"恩返すまであんたを逃がせないで"
…なぁ。な、トーントン？」
ニット帽を被った男性…シャオロンさんと呼ばれる男性がによによと、何やらからかうような調子でトントンさんの先程の台詞を繰り返した。
「は、な、何や、別に間違ったこと言っとらんやろ」
それに対して、トントンさんは耳まで顔を赤くする。
「トントンさん、女性にそんなこと言えたんですね」
紫のジャケットにヘルメットという、些か軍人離れした格好の若い男も、淡々と、しかし明らかにトントンさんを小馬鹿にしているような口調で言葉を続ける。
私は少し考えを巡らせ、彼が何故そんなに"女性"というワードでからかわれているのかを思考した。
……女性慣れ、していないのかな。
昨日の今日でそんな印象は無かったけれど。私とは普通に話してくれていたし。
トントンさんを見上げれば、彼はもう火でも出てしまうのではないのかと心配になるほど顔を赤くし、焦点の合わない瞳を虚空にさまよわせた。
「う、うるさいねん！阿呆！」
頭がよく回っていないのか、精一杯と思われる反論はただの悪口に成り下がっていた。
その時、トントンさんとﾊﾞﾁﾝが目が合う。
「…A、あんな、トントンは童貞なんや」
どこか悲壮感漂う口調で、コネシマさんが私に告げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3744人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「軍パロ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
