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『…というか、私の職業云々、
私が総統サマをどうにかする可能性云々ではなく、
貴方達が総統サマを…今度こそしっかり守ればいいだけの話です』
「…！」
ぱっとパーカーを手離せば、バランスを崩したゾムさんが一歩二歩と後退する。
「ｯは…」
先程までは怒りと敵愾心に濁って見えた瞳。
今は微かな迷いがそこに浮かんでいる。
無理もない。ゾムさんにとっての総統サマは、それ程までに大きな存在として心を巣食っているということだ。
しかし、恐らく一等警戒心の高い幹部に、迷いを生じさせることが出来たのだから、及第点といった所ではないだろうか。
やれるだけの事はした。私の誠意をどう取るかは彼の問題だ。
『…じゃ、私はこれで失礼します』
「！
もう行くのか」
あからさまに表情を歪める総統サマは、ぐっと私の手首を掴んだ。まるで行かせまいとしているように。
『これ以上ここに留まる理由がないですし…？』
「国を出るのか」
『いえ、暫くは我々国にいます』
「…そうか。城にはいつでも来ていいんだゾ。礼もしたいからな」
『分かりました。
…じゃあ』
「…ほんま、ありがとうな」
「アンタが城来るんなら、いつでも歓迎しますよ」
トントンさんを筆頭に、幹部の人達はそれぞれ行き過ぎるくらいの礼を、私に伝えてくれた。
特に目の冷めるようなスカイブルーの瞳、金色の髪を輝かせる男の人は、
「ふぐ…ｯほんま"、ありがど…グルさん帰ってきだん、アンタのおかげやぁ…！」
なんて、大粒の涙を流しながら、
『！？』
「ありがとなァ…！」
此方の背骨を折らんとばかりに抱き締めてくるもんだから、
…本当に、困った。
『ぐ…痛、い』
「ちょ、コネシマさん、その人の骨折れます」
と、すぐさま紫の瞳をした男性が金髪の人…コネシマさんを引き剥がしてくれた。
「…初対面の女性に抱き付いた挙げ句、痛がらせるとか最低っすね」
「う…わ、悪かったな…いや、つい感極まってな…？」
…悪い人ではなさそうだ。
取り合えずと私はハンカチを取り出して、コネシマさんに差し出す。
『どうぞ使って下さい』
「ん、うぁ…悪いな、ええんか？」
『いいですよ。安物ですし、返さなくても結構ですから』
ほんま何から何まで悪いな、と涙を拭うコネシマさんを横目に、私は総統サマを見上げる。
『…じゃあ今度こそ、私はこれで』
「あぁ」
「待てや」
深緑の袖から伸びる手に、
ぐい、と腕を引かれて
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
