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緩やかにスピードを落として、車は完全に停止した。
車から降りて見上げたそこには、天空に突き刺さっているようにさえ見える巨大な城。軍事施設も兼ね合わせているので、残念ながらきらびやかな印象は全く無いが。
『久しぶりですね…この城』
「入ったことがあるのか」
『昨晩言ったように、私はぺ神さんに直接薬を処方して貰ってるので、その時ここの医務室に寄ります。
勿論、医務室直通の廊下を使うので、貴方を含め軍のお偉いさん方に会ったことは一度もないですか』
さぁ、と総統サマを見上げる。
『入りましょうか』
彼は頷き、城門に近付いた。
門兵には既に話が通っているのだろう。彼等は緊張した面持ちで、今まで行方不明だった総統サマを見上げ、そして、震える声で言うのだ。
「________お帰りなさいませ、総統閣下」
そうして、皆地面に膝を付く。
「あぁ…ご苦労」
開かれた門を二人でくぐったその先には、十数人の男達が待ち構えていて。そこにはぺ神さんの姿も見える。
張り詰めた空気の中、私と総統サマは互いに顔を見合わせて。
そして私は、呆けた顔の彼にふっと笑いかけ、右手を彼らの方へ差し向けた。
『何を迷う必要がある。
さぁ、仲間の元へ行って。
私の役目は…これで終わりです』
…それを聞き終えた総統サマは、静かに歩き出した。
「_________グルさん！！」
赤いマフラーを巻いた男性が総統サマに向かって駆け出すのを先頭に、他の幹部と思われる連中も雪崩のようにその後を追う。
「グルさん！」
「お帰りぃ…！」
「よう無事やったなぁ！！」
総統サマを抱き締め、ぐしゃぐしゃな泣き顔で、或いは笑顔で、彼の帰還を手放しで歓迎している。
まさに、感動の再開だ。
「Aが俺を助けて、ここまで送り届けてくれたんだ。お前達、くれぐれも丁重にもてなすんだぞ」
総統サマがそこまで言うと、ぺ神さんが近付いて来た。
「…A、ありがとう、グルさんを助けてくれて…
っ…本当に……」
『良いんですよ』
すると、赤いマフラーを首に巻いた男性が、此方にゆっくりと歩み寄ってきた。
「…驚いたな。まさかほんまに何も言わずに返してくれるとは思っとらんかったわ」
『トントンさん、ですか？』
電話で会話した人と声が似ている。
「ん、あぁ、せや。
てっきりアンタ、何か良からぬこと企んでて、グルさんと引き換えに何か要求してきたり、脅してきたりするんかとか警戒しとったけど、
杞憂だったみたいやな。
…疑って悪かった」
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
