天才61 ページ12
「_____で？血が出る程思いっ切り噛んじゃったと？」
「…すんません」
未だズキズキと痛む首筋。消毒を終え、ガーゼが貼られた傷口に手を添える。
…まだ結構痛いな。
床に正座しているゾムさん、冷たい殺気を放ち続けているぺ神様を横目に、私は溜め息を吐いた。
あの後彼は無言で私を押し倒して、昔絵本で見た吸血鬼の如く私の首に噛み付いた。少なくとも総統のやつの数十倍は痛かった。何故か。理由は明白だ。
総統が"吸っていた"のに比べたら、ゾムさんは"噛み付いていた"からだ。
彼の八重歯が肉を抉る感触を、私は一生忘れないだろう。
そして彼が口を放したのと同時に、首筋を這う液体の感触。恐る恐るソレを触り、やけに生温かい指先を見たら…………真っ赤な血が付着していた、というわけだ。
やがて正気に戻った____あの時の彼は正気ではなかったと私は思っている____ゾムさんは私を抱き抱えて医務室に走った…という。
ここの人達、皆ストレス溜まってんのかな…
私が絶世の美女とかならまだしも、未成年で容姿もそこそこの私が彼に…いや、彼等に襲われる事など普通なら有り得ないことだ。
…そうだ、欲求不満な人は噛み癖があると聞いたことがある。何の欲求に不満を抱えているかは分からないが、やはりストレスは少なからずあるのだろう。私に何か出来ることはないだろうか。
そんなことを悶々と考えている間にも、ぺ神様の殺気は色濃くなっていく。ゾムさんの額に物凄い量の汗が浮かんでいるのが遠目に見えた。
「ねぇ、ちょっとはAちゃんの気持ち考えて？グルさんにキスマつけられただけでも十分混乱ものなのに、その直後お前に同じとこ噛み付かれて怪我させられるんだよ？無理矢理押さえつけられて。分かる？彼女の恐怖。
一度球ぶつけてやらないと分からないくらいならならその役目、俺が受け持つけど」
「本当にすみませんでした」
「俺じゃなくてAちゃんに謝って？」
私は酷く神妙な顔をしたゾムさんと、改めて向き合った。
・
作者のラットです。
この３日間、お話を更新しなかったことを深くお詫び致します。
理由としては、完全に私情なのですが、少し病気にかかってしまいました。
もしかしたらこれから、お話の更新は不定期になるかもしれません。それでも、出来るだけ毎日コツコツとお話を書いていこうと思います。
このような拙い物語をここまで読んでくださった読者様には、感謝してもしきれません。ただただ、ありがとうございます。
そして、これからもよろしくお願いいたします。
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暁 - あれ...grさんヤンデレ...？ (9月7日 17時) (
レス) @page38 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
紺 - マンちゃんの反応面白すぎる 天才90とか (2021年9月17日 22時) (レス) id: 194369b6a7 (このIDを非表示/違反報告)
かい - ラットさん、この小説大好きです！これからも無理をしないていどに頑張って下さい！これからも応援してます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: caec64c12b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - Look What You Make Me Do 好きなんですが、どの辺りが似てる？んか気になります！ (2020年1月6日 2時) (レス) id: 83cb691048 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - しんぺい神さんが常識人に見えてくる…w (2019年6月6日 1時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年3月11日 0時
