天才50 ページ1
[_____…ｻﾞｻﾞ]
ノイズの音が静かな部屋に響く。私は思わずピンと背筋を伸ばした。
"壁に設置されたスピーカーは緊急任務時のもの"
トントン様がそう言っていたのを思い出したのだ。その時、ノイズの音がピタリと止んだ。
[____幹部の諸君、緊急事態だ。
詳細を話したい。至急会議室に集まるように]
スピーカーから聞こえてきたのは総統閣下の声だった。よく分からないが、大変なことが起きたようだ。私はすぐに部屋を出る。
「あぁAちゃん、放送聞いたんか。よし、じゃあ一緒に会議室行こう」
丁度部屋からトントン様が出てきたので、私たちは2人で会議室に向かうことにした。
長い廊下を歩き、到着した会議室の扉を開ける。どうやら私たちが最後だったようで、そこには見知った顔ぶれがズラリと並んでいた。空いている席に座り、呼吸を整える。
一番奥の特等席で、総統は深紅の双眸を細め、全員の顔を見渡した。
「諸君、よく集まってくれた。先程放送で述べた通り、緊急事態が発生した」
「どないしたん？」
トントン様の質問に応答する代わりに、総統はロボロ様に目配せした。ロボロ様は頷き、席を立つ。
「一時間前、城の1階資料室前の廊下と、南東階段に設置されている防犯カメラの映像が５分間に渡って途切れた。モニターを監視していた警備員は、最初はモニターの不具合かと思ってあれこれいじっていたそうだが、どうやらそういうわけではないということが判明し、様子を見に行ったらしい」
「カメラに異常があったんか」
ゾムさんが発言した。その質問に、ロボロ様は首を振る。
「目視した限りではわからなかったと言ってる。実際カメラが取り外されていたわけでも、破壊されていたわけでもなかったからな。ただ知っての通り、資料室の奥には最高機密の書類やメモリが保管されてる。場所が場所なだけに、すぐに俺に連絡を寄越した」
私は胸のざわつきを押さえられなかった。なにか物凄く嫌な予感がしたのだ。
_____そしてその予感は的中した。
「エミさんから鍵を借りて、すぐに保管庫で資料を確認したところ…何枚かの重要書類と機密情報入りのメモリが盗まれていた」
しん…と、騒がしかった会議室が静かになった。耳が痛くなるほどの沈黙が襲う。それを破ったのは、大先生様がジッポライターの蓋を開ける金属質な音だった。
彼はそのまま煙草に火をつけ、煙を吸って吐き出す。忙しなくそれを繰り返し、すぐに短くなった煙草を灰皿に押し付けた。彼は重そうに口を開く。
「…スパイがいるっちゅーことやな」
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暁 - あれ...grさんヤンデレ...？ (9月7日 17時) (
レス) @page38 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
紺 - マンちゃんの反応面白すぎる 天才90とか (2021年9月17日 22時) (レス) id: 194369b6a7 (このIDを非表示/違反報告)
かい - ラットさん、この小説大好きです！これからも無理をしないていどに頑張って下さい！これからも応援してます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: caec64c12b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - Look What You Make Me Do 好きなんですが、どの辺りが似てる？んか気になります！ (2020年1月6日 2時) (レス) id: 83cb691048 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - しんぺい神さんが常識人に見えてくる…w (2019年6月6日 1時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年3月11日 0時
