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14□震える唇、消えていく恋2 ページ4

「…祐希が、」

「祐希?」

「…女の子、と一緒にいた」

「え?」

「仲良さそうに、歩いてて…私、」




そっか…、そう言って私の頭をぽんぽんっと撫でてくれる洸史
思い出すだけでも胸が張り裂けそうになる。
涙が止まらなくて、私の泣きじゃくる声だけが室内に響いた。




「…実は聞いてたんだけどさ、お前が祐希のこと好きなの知ってたから言えなくて」

「…!」

「1ヶ月ぐらい前かな。でも、Aに言ったのか?って聞いたらまだって言ってて。理由聞いたら、お前が今まで通りじゃなくなるのは嫌だって」

「…………」

「俺に彼女ができることで、距離ができるのが嫌なんだと」





祐希もお前のこと考えてるんだよ
そう言った洸史の顔も、必死に笑顔を作ってるのが丸見えで。
祐希が好き、そう知った彼も今まで通り変わらずに接してくれた
変に気を遣ってもらうより居心地がよくて
このまま3人でいれたらいいのかも、なんてことも思った。

いつか崩れることはわかってたつもり。
それが洸史に彼女が出来たり、祐希に彼女が出来たりのタイミングかもしれない。私に彼氏ができた時かもしれない。
それでも、ずっと変わらない関係でいられるならって。…そう願ったのは私も同じだ。





「祐希のことが本当に好きなら、応援してやれよ」

「………」

「別に完全に振られたってわけでもないんだし。まだわかんないだろ?なのにお前は、祐希に彼女が出来たからって今までの関係無かったことにするのか?」





彼のその言葉に私は首を横に振った。

例えそれが、私にとって良いことではなくても
祐希が…彼が幸せそうにしてくれるなら。
今まで通りの3人で仲良く一緒にいられるのなら、それでいいのかもしれない。

A、なんて笑いかけてくれる祐希

それだけでも幸せじゃないか、って。

ありがとう、そう彼に伝えれば
さっそく祐希から連絡きてるぞ、なんて言われた。





「Aに無視されたー。なんで?だと」

「……うん、大丈夫」

「よし。ま、でも。お前目真っ赤だから、治るまで待ってやるよ」

「ありがと」




そのあと、必死に私たちを探してくれてた祐希に
どうしたの?なんて心配されたけど、洸史が一生懸命嘘をついてくれて。
何も言わずに居てくれる祐希と、必死に笑わせてくれる洸史に
それだけでいい、この関係のままでいい、なんて思った。









震える唇、消えていく恋

恋愛だけが、隣にいれる理由じゃないって彼らは教えてくれたから。

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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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