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11□恋、始めました ページ18

「下手くそ」

「えー、ちょっと酷くない?」






ぼそっと呟いた有志に思いっきりボールを投げるけど
いとも簡単に受け取った彼は人差し指の上でくるくると器用にボールを回す。

そんなんじゃ、俺には勝てないよ
そう言った有志はニヤニヤと笑ってて無性に腹が立った。

くっそ〜バレーボールだったら負けないのに!
速度とか高さとかはゴリラみたいな有志には敵わないけど!
いいんだ、女子と男子だもの。そこは差があっても。

ただ、今は体育の授業中。
男女合同のバスケットボールで
近くからシュートしたボールは、リングにがん、と弾かれてコロコロと転がる。
それを目撃した有志は笑ってて冒頭に戻るわけで。

そんな彼は綺麗なフォームで斜めからシュート
吸い込まれるようにリングの中を通った
見たかと言わんばかりに私を見るその顔はドヤ顔で。
……悔しすぎる。





「何でも出来るとかズルくない?」

「天才だから」

「自分で言うかそれ」

「お口が悪いよ、Aちゃん」

「うるさいなぁ」





終始ニヤニヤしてる有志はもの凄く腹が立つけど
スポーツを何でもこなすからちょっと羨ましい。

その時だった、有志の顔がちょっと険しくなって
危ない、なんてこっちに近寄ってくる
何事かと後ろを振り向こうとした瞬間、頭に重い衝撃が加わった
あれ、視界がぐらぐらする。





「っいった」





頭を抱えて座り込む私に、有志が後ろで遊んでた男子たちに声を荒げる
珍しく怒る有志に男子たちも焦ってて。
どうした?先生も近寄ってきて少し周りが騒がしくなる。






「お前ら気を付けろよ、危ないだろ!」

「悪い!A、大丈夫か?」

「大丈夫、」





ボールをぶつけてきた男子の言葉に、立ち上がろうとするけど
思うように身体が動かなくて頭が少しくらくらする。
足元がふらつく私を有志が腕を掴んだ。





「保健室行こう」

「大丈夫だよ、少し休めば」

「いいから。先生、ちょっと保健室連れて行きます」

「ああ、頼む」









有志が私の身体を支える。でも、足取りはうまくいかなくて
めんどくさくなったのか、なんなのか。有志の手が私の足元に伸びてぐっと膝裏から腕を通される。





「え、ちょっと」

「黙ってろ」







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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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