【ヒロアカ】お前…地味男じゃなかったのかよ……（震） (ページ29)

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検査を終え、医者からもう退院していいよと言われ、俺は相澤先生の病室へ向かった。

ゆっくり扉を開け、ベッドに寝転がった包帯ぐるぐる巻きの相澤先生を見下ろす。

『相澤先生』

名前を呼ぶと、先生の頭が微かに動き、「死齊か」と呟いた。

『ごめんなさい、俺、何もできませんでした』

俺は、死柄木さんに手を出さなかったことを後悔してなどいない。

しかし、それとこれとは話が別だった。

脳無にめちゃくちゃにされる相澤先生を助けることができなかったという罪悪感は、思ったよりも強かった。

『誰も助けられませんでした』

「……」

相澤先生がそのボロボロの腕を伸ばし、ポンと俺の頭に置いた。そしてわしゃわしゃと撫でられる。

「お前はよくやったよ。ヴィランと対峙して、あそこまで動けたのはお前だけだ。

…それにな、俺はヒーローであり、教師なんだ。

お前が命をとして救わなければならない相手ではないし、罪悪感なんか持つ必要ねぇよ」

『…』

「それに、お前は助けただろうが。蛙吹も、緑谷も、お前が行動しなきゃケガをしていたかもしれんし、考えたくもないが、死んでいたかもしれない」

その言葉に、俺はすかさず訂正を入れる。

『梅雨ちゃんは相澤先生が助けたんですよ』

「いや、俺が助けたのはお前であって、蛙吹じゃねぇ。

お前はヴィランから誰を守るためにあそこに立った」

『…梅雨ちゃんを守るためでした』

「____お前はよくやったよ。死齊」

病院から出て、俺はいつものコンビニに足を運んだ。

店内を歩き回ったけど、どこにも彼の姿はない。

ため息を吐いて、たけのこの里だけを手に取りコンビニを出る。

少しの希望を胸に抱き、公園に行ったが、一人っ子一人いない。

『…次は、誰も傷つけたくない』

すぅっと息を吐いて、吐き出した。

『頑張ろ』

俺はそのまま帰路を辿った。