幼馴染みの特権【牛島若利】

24 ページ24

顔が熱くなる
なんだよ、言われ慣れてるじゃないか
中学の時チームメイトにたくさん似たようなこと言われてきただろ
でも、なんか嬉しいんだ
こうやって、同じポジションの奴に言われるのが






「…俺はお前よりうまいよ??
リベロとしてもバレー選手としても」




妬まねえの? と聞くと




「正直羨ましいところなんかたくさんあるし才能だってめちゃくちゃ欲しい
でも、どうしてもAがやるバレーは誰にも真似できないんだ、とても綺麗でできないんだ
中学の頃だって大会の決勝を1人で観に来てた
自分が行けなかった頂上へ上り詰めた人たちを観に、そして誰よりもAの背中を目で追ってた」






「だから、俺は内山Aっていう男の背中を誰よりも大きくみえて綺麗にみえるって全国に教えることが出来る」







少し、感動した
まだ顔が熱い

本当にこいつはいい奴で強いんだ
バレーであっても精神面であっても


俺なんか千鳥山の西谷夕にめちゃくちゃ嫉妬してアイツが俺と目合わせたら威嚇する勢いで睨みつけてた
なんか、恥ずかしいやつだな、俺は



俺は山形に







「山形、次は俺達が頂上の景色を見せてやるよ」






そう言って火照る顔を誤魔化すためにボールを持った

25→←23

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す