幼馴染みの特権【牛島若利】2 (ページ4)

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言葉が、止まらなかった

西谷夕に至ってはまだ見開いている眼

そのデカイ目に俺はどう映っているのか

「そうだな、リベロは攻撃ができない、そしてキャプテンにもなれない、まずリベロがいなくても試合はできる
リベロには他のポジションにはないたくさんのルールがある、俺達みたいな低身長の選手のために作られたポジションだしな
俺はこれを要だからなんて、思ったことない
寧ろ、大きな足枷のようなものだ」

「お前がバレーし始めた理由が俺だったとしても、俺はお前が思ってる程かっこいいやつじゃねえよ
『Aくんって運動苦手なの???』って言われて体力作りから始まって若利から誘われて今に至る
本当のことだよ、俺は別に始めた理由もかっこよくない、才能だって努力しないと無い」

「だから西谷夕、俺はお前がかっこいいと思った、本当に」

言いたいことなんてもう無かった

俺はハンカチで手を拭きトイレから出て行った

あいつの顔をまた最後の最後まで分からずに終わったんだ
今回も西谷夕の顔を把握することなく終わった

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.

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「なが～いトイレだったね～」

「うるせえよ、便秘なの」

「え、まじで」

嘘だよと笑うと

「A、なんか表情が柔らかくなったな」

山形がそんなこと言った

え、柔らかいの

「たしかに!便秘から解消したから???」

「天童黙れ」

俺は自分の頬を少し触る

いや、別に柔らかいわけじゃないよな

いつもの顔だよな

「若利、俺いつもの顔だよな
固くねえよな、柔らかくもねえよな」

「Aの頬は柔らかいぞ」

「あ、はい」

その後大平に聞いたら

「スッキリした顔になった」

と言われ、トイレでの出来事を少し思い出した