幼馴染みの特権【牛島若利】4 (ページ30)

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日向翔陽side

俺はいつも通りにドリンクの準備やボール拾いなどをこなしていた
そしていつも通りに集合をかける監督とコーチがいた

「なぁ、あれAさんだよな?」

隣の白鳥沢学園1年のひとりの寒河江が言う
確かに言葉の通りにコーチの隣にはウチヤマがいた
一人なんて珍しいな、と赤倉も驚く

いつもウシワカといるウチヤマはやっぱりセットで考えてしまうんだ、それは俺も同じだった

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「えー、今日は白鳥沢学園の三年生の内山Aさんが今日一日だけ"コーチ"をすることになりました」

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場は停止した
俺も停止した、主に脳が

コーチが、ウチヤマ???

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「今日限りのコーチになりました
メニューはいつも通りのものだけど、ダメなとこ見つけたら徹底的にしごくからな」

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ウチヤマはいつも通りの綺麗な顔に似合わない辛口なことを言うと隣にいた赤倉が静かに呟いた

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「…Aさん、人に教えるの好きじゃなかったような…」

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「バカタレ!!レシーブは腕だけ動かすもんじゃねえよ!!」

「は、はい!!」

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「ブロック見てからでも打てるようになれ!!いつも何かを考えろ、ストレートが無理ならフェイントかけるかクロスをしな
頭がいいって自信ある奴はリバウンドな」

「はい!!」

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す、すげ、さすが元白鳥沢バレー部のスタメンだ
的確なアドバイスが口からポンポンと出てくる
俺は体育館の上からそれを眺めて見ていた

何であんなに体がちっちゃいのに、俺とは何が違うんだろう
やはり技術だろうか、いや半分以上はそれだと思う
だとしても、ウシワカの背中を護り続けているウチヤマは何かカリスマ性があるんだと思う

「サーブは一番に疲労から出るミスが多い
だから、ネットインで入ることが多いからコツを教える、よく聞いてろよ」

あの人、リベロだよな???
なんでサーブのことまで教えることが出来るんだろう
後で聞いてみる価値はあるな

そう思いながら俺は上から練習試合を見た

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