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「もう一つ、話しておきたいことがあって」
「何....？」
「Aさんには言ってなかったんすけど、俺、ちょっと前に正規雇用してもらったんすよ。役職付きで」
「え....そうなの？」
「うん。だから、夜のバイトも辞めた。これからはむぎと生活するのに新しいとこに引っ越すつもり」
彼が淡々と告げる言葉に脳内の処理が追い付かない。
つまり....あのおんぼろアパートから目黒くんは引っ越してしまう。
ということは、毎日のように会えていたけれど離れ離れになってしまうってことか。
そんなことを考えたら少しだけ悲しくて、声のトーンが落ちる。
「そっか....おめでと」
彼の本職が上手くいっていることを、むぎちゃんが新しく小学生というお姉さんになることを喜んであげなきゃいけないのに、悲しみがじわじわと大きくなっていく。
「....じゃあ、そろそろ引っ越すんだね、」
「うん」
別に、別れるわけじゃない。
なのに何でこんなに悲しくなってるんだろう。
「Aさん、？」
視線を下げたままの私を心配そうに覗き込む彼の顔。
そして何かを理解したかのような表情を浮かべた。
「寂しいって思った？」
「...........思った、」
素直に言えば、彼は嬉しそうに微笑む。
「大丈夫。毎日会えるから」
「でも新居の場所によっては全然会えなくなるかも.....」
「Aさん、むぎの手紙の最後の方ちゃんと読んだ？」
「え....うん、読んだけど、」
目黒くんは手紙の内容を知っていたんだと知り、急に肩に力が入る。
そして彼は、ふぅと息を吐き出した。
「一緒に住みませんか」
「....え？」
「もちろん、むぎの小学校が近いとこで、Aさんの職場も良い感じのとこに」
「え....？ん....？」
「むぎが小学校上がる前にちゃんと家族で一緒に住むって決めてたんです。俺はその中にAさんがいてくれたらいいなって思ってる」
えっ、と、
分かんない、分かんない、
一緒に住むってどういう、
「もっとはっきり言わなきゃ分かんねーか」
ポツリと小さく呟いた彼は、一つ息を吐き出して口をきゅっと結んだ。
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cleam(プロフ) - あちゅ。さん» ありがとうございます....！実際に体験を....😳懐かしさまで感じていただけるなんて光栄です😭そして別作品にも興味を持ってくださりありがとうございます（ ; ; ）とっても嬉しいです（ ; ; ） (2021年12月25日 23時) (
レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます（ ; ; ）感情移入までしていただけるなんてとても嬉しいです（ ; ; ）待ち望んでくださる方がいてとても幸せです。残り数ページで短編を投稿することにしたので、最後まで楽しんでもらえたら幸いです。 (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - しぇるさん» しぇる様、初めてのコメントありがとうございます....！そして嬉しいお言葉をありがとうございます（ ; ; ）余力がなくて移行が出来そうにないので、短編だけ書かせていただくことになりました....！続編を希望してもらえて光栄です。ありがとうございます（ ; ; ） (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - saeさん» ありがとうございます（ ; ; ）他の読者様からも有難いことに続編希望のコメントを頂いておりまして、続きを書こうと思ったのですが移行するほどの余力もない為、残りの数ページで短編を書くことにしました....！楽しんでもらえたら嬉しいです。 (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ﾗ ｲ ｽさん» ありがとうございます（ ; ; ）きっとめぐろくんと生活を送ることが出来たら、支え合って凄く良い家庭になりそうですね☺️ (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2021年11月13日 22時
