自粛生活の出来事

＊ ページ8

ピッ



テレビ通話の画面に切り替えて、Aが応答してくれるのを待つ


少しして、Aが応答してくれた
画面に写ったAは目が真っ赤で
同じ家に住んでるのになんで気づかなかったんだろうってくらいやつれてて、、


ホント、しょうもない自分が嫌になる



「A....ほんとごめん。....Aが嫌だって言っても俺、Aと別れる気ないから」

そう言って画面越しにAの頬に触れて、その涙を拭うように画面に親指をすりつけた
まるで本当に触れたかのようにAの頬から涙が消えていく

「Aは、、俺を守ろうとしてくれてんだもんな.....ほんと、ありがとう」
そう言うとAの表情が和らいだ

「これからは、こうやって沢山顔みて話そう？もちろん電話越しとかドア越しとかにはなっちゃうけどさ。ご飯も一緒の時間に部屋は別でもさ、、」

「みつ.....こないだご飯作ってくれてたんだね」

あの日、一緒に食べられなかった料理
ラップしてあったのが翌日にはなくなっていたのは気づいてた
「あれ.....食べてくれたんだ」
「すっごく、美味しかったよ」
そう言って笑うA


Aの笑顔、みたのはいつぶりだろう
すごく愛しくて、抱きしめてキスをしたくなる
でも、、できないもどかしさ

「ねぇ......みつ。.....キスしてほしいな」
俺と同じタイミングで同じことを思っていたなんて、やっぱり俺はAじゃなきゃダメだ

「したいけどさ、、そっち行っていいの？」
リビングにいるはずのA
行きたい気持ちでいっぱいだし、なんならすでに立ち上がってドアの前まで来ている

「ん....だめ.....」


くそ...やっぱりお預けかよ


「私....許さないって言ったよね？だから、電話越しにキスして」







..........はい？

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