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思い出だったあの公園は、家の近くのはずなのに、いったい何時間かけて帰ったんだろう。
樹くんの前では泣かなかったはずなのに、1人になると涙があふれる。
1人にしないで欲しかったのは、私だった。
いつ寝たかも分からない、私は記憶が曖昧になるぐらいまで泣き続けた。
朝起きると見たことの無いパンパンに腫れた目。
そりゃそうだよな、なんて思って、幸い、夏休み中だし、バイトもない。特に予定もないし、このままじゃ、夏休みバイト生活だけになりそう。
コンコンっ。
「おはよー」
『あ、おはよ』
「外出てみ?」
『え?』
「いーから!」
『わかった。』
外に出ると、玄関になにやらビニールがかかってる。
『どーしたのこれ』
「なーんか元気なさそうじゃん?たべて〜」
『あ、ありがとう』
「やけにきょうは素直だね〜、じゃ、仕事いってきまーす」
『あ、行ってらっしゃい』
嵐のように去っていくな、彼は。
そう思ってビニールの中に入っていたプリンにはメッセージが書いてあった。
"smairu"
一瞬ん?なにこれって思ったけどローマ字でスマイルって書いてあんの?え、アホじゃない?"smile"ってわからないの?
『あははっ』
まさかのメッセージに私は自然と笑い声をあげてしまっていた。
やっぱり壁越しの君は変な人だな
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作者名:rin | 作成日時:2020年6月13日 15時