22 お姫様 ページ22
1センチ先も見えない暗闇だった。
『…隼…？』
こんな暗闇の世界が隼が持つ世界なの？あんな綺麗な顔で笑うのに、あんなに世界が愛おしそうなのに…。どうして…？
暗闇を抜けるとぼんやりと見える影。それは見覚えのある白い兎だった。
『隼…！！』
名前を呼んでも彼は振り返ろうとはしない。どうして…？彼の元へ走り出す。細い肩を掴んでもう一度彼の名前を呼ぶ。
『…隼…！』
隼「…ごめん、なさい…」
『…え？』
やっとわたしと視線を合わせた彼がポツリと零した言葉。そして、そのペリドットの瞳から溢れる綺麗な涙。どうして彼が泣いているの…？
隼「ごめんね、皆…ごめんなさい、始…ごめんね、A…」
『…どうして、謝ってるの…隼！しっかりして…！！』
「コイツが謝るのは当たり前だ…。全てはコイツのせいなんだからな」
背後に感じた黒い気配に振り返ろうとしたところで、首元に冷たい何かが当たった。
虚「俺は虚ろ。虚無、絶望…俺はお前を待っていた」
『…あ、貴方が隼をおかしくしたんでしょ！？どうして…どうしてこんなこと…』
虚「どうやら、世界の鍵のお前には記憶がないようだ」
冷たく首元に当たるそれを突きつけたまま、黒い隼によく似た彼が姿を現した。それは闇そのもののようで、怖くて…体が震えた。
『…記憶…？』
虚「…大切なことは話せないんだな…馬鹿な奴め」
『どういうこと…？』
隼「…ごめんなさい、A。君のこと…守ってあげられなくて…」
『…え…？』
守ってあげられなくて…？
ズキリと頭が痛む気がした。蘇ってくる昔の記憶…優しくて温かいはずなのに、その先は真っ暗闇で見えない。
『…何、これ…？』
隼「…思い出さなくていいんだ、思い出さないで…君が…辛くなる…」
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衣里(プロフ) - 初めまして、全作品読ませて頂きました、懐かしくて涙が出てきちゃいました、紅縁、スクレボ、サバコレぜひとも書いて欲しいです。これからも頑張ってください (2019年10月6日 7時) (
レス) id: a37957c804 (このIDを非表示/違反報告)
mel(プロフ) - みほさん» ありがとうございます。機会があれば書いてみたいなと思っていますが、円盤が出てからになるかと思います。申し訳ございません。 (2018年11月25日 19時) (レス) id: cd9818e417 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませていただいてます。紅縁のストーリーを小説化してください。 (2018年11月24日 20時) (レス) id: 40d86cc87b (このIDを非表示/違反報告)
mel(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！更新はゆっくりですがまた遊びに来てくださると嬉しいです！お待ちしております。 (2018年9月22日 17時) (レス) id: cd9818e417 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - melさんの作品全部大好きです。また新作の更新常に楽しみにしてます!!無理せず頑張って下さい! (2018年9月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 11be993efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mel | 作成日時：2018年7月30日 23時
