같이 살까? 〜オッパと私のふたりぐらし〜【夢/zb1/🚹🪐】 (ページ35)

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「うわぁ…最悪だ」
退勤後、電車に乗って家に帰っている途中、急に雨が降ってきた。ざあざあと窓を打ち付ける雨粒を見てため息をつく。梅雨入りはまだ先だし、今日は晴れの予報だったから、傘はおろか折り畳み傘すら持っていない。家の最寄りに着いても相変わらず雨は降り続いていた。

「少し待ったら晴れるかな…」
電車から降りて駅の構内でスマホを開き、天気予報のアプリを立ち上げる。現在地周辺の一時間ごとの天気を確認するが、傘マークの連続。しばらく降り続きそうだった。
オッパはオフだし、出かける予定があるという話は聞いていないから、家にいるはず。傘、持ってきてもらおうかな。
一瞬そんな考えが頭をよぎり、LINEを開きかけたが、連絡するのはやめておいた。家まで走ったら三分もしないくらいだし、そこまでひどい雨でもない。

「ちょっとだるいけど、走るかあ～」
スマホをバッグに仕舞い、よし、と気合を入れて、バッグを胸に抱きかかえて走り出した。

◆

息を切らしてマンションのエントランスホールに辿り着く。社会人になってから運動をする機会なんて全くなかったから、体力が低下していることを実感して少しショックを受けた。
息を整えつつ、エレベーターに乗り込む。エレベーターに備え付けられた大きな鏡に映る自分を見て、思わず笑ってしまった。思ったよりもびしょびしょになってしまって、髪の毛はシャワーを浴びた後みたいになっている。服も濡れてずっしり重くなってしまっていた。
(またオッパに怒られちゃうなあ)
三階について、自室のドアに鍵を差し込む。ドアを開けると、リビングの方から明かりが漏れてきていて、物音も聞こえる。よかった。オッパ、いた。

「ただいま～」
「ん。おかえりー」
姿は見えないが、おそらくリビングにいるオッパに向かって声をかけた。

「オッパ〜、ちょっと、助けてほしいんだけど…」
「えー？何？」
「お願い、玄関まで来て～」
やれやれといった様子でオッパの足音がこちらへ近づいてくる。
「はいはい、どうしたの……」
リビングから出てきたオッパは、私の姿を捉えた瞬間、フリーズしてしまった。

「えっと、傘持ってなくて…」