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〇blue side〇
“すきなひと”
確かにそう言うたよな。
言うた後、自分でポカン。して口パクパクして、また真っ赤な金魚なってたけど。
「なっ、なんでもないですぅ!!!!///////」
て泣きそうに言うてたから、おれもいちお大人やしさ、そんときは流したん。
掘り返すのも野暮かなぁ、思って。
でも、そんなん全然気にならんくらい(いや、気にしたら良かったんか?むしろ)、
一緒歩いて、アイス食べて、色々話して…
ってのが、楽しかったん。
まさみちゃんむっちゃ優しい良い子やし、おれの話、うんうん、て面白そおに聞いてくれるし…
「先生。」
「ん?」
「なんで、栄翔大にしたんです?
先生ならもっと、違うとこに… 」
過去問を解きながら、まさみちゃんが聞く。
もっと、上の大学に。て?
せやなあ。
まさみちゃんが狙ってるとこも、志望校のひとつやったわ。
でも…
「おもろい先輩と一緒にバンドやりたくて…
追いかけたんや。」
「バンド… 」
「おん。
こん人のボーカルやなきゃおれは、弾かん。
思った。」
高校生のおれは、1人でフラフラ街を歩くのが好きやった。
流行りのカフェ、雑貨屋、レコード屋、寂れた小さな劇場。
古いもんと新しいもんがごった煮の街で、おれは渋やんに出会った。
美容院の先の路地を入った、角の古着屋。
いつ通ってもOPENの看板かかってるん見た事なかったのに、その日は小柄な男がフンフン鼻歌歌いながら窓拭いてた。
鼻歌だけで、わかる。
この人、むっちゃうまい。
「なんや坊主。
オーティス、知ってるんか?」
服の話、音楽の話、楽器の話。
渋やんと話すのに夢中で、初めておれは、丸ちゃんへの想いを、忘れられた。
毎日毎日嫌でも顔を合わせて、膨らむばかりのしんどい想い。
ニカニカうれしそうに話す小さいオッサンがまだ大学生やて聞いてビックリするのは、それから少し先のこと。
おれの昔話もまるでテスト範囲みたいに深ぁく聞いてくれるまさみちゃんに、感想文でも出してくれそやな。と思ってたときにふと、口から出た言葉。
「せや。
こないだのお礼、なにがいい?」
「へ?」
「息抜き。
連れてってくれたやん。
あれ、効果絶大やってん。
やから、なんか…」
「いっ、いやいやいやいや、いいですよ!!
アイスも結局、ご馳走なったし… 」
「や、そんなんとちゃうくて…
なんか、ないかなぁ。
なんでもしたるよ?」
おれに、できることなら。
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さやか(プロフ) - はじめまして。いつもめろんぱんさんの作品を楽しく見させていただいております!!多くの作品にパスワードを付けていらっしゃると思うのですが、もうめろんぱんさんの作品は読むことができないのでしょうか、、、 (7月12日 16時) (レス) id: dd61441407 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - めろんぱんさん» なんやねーん。ズルないでぇ (2020年9月24日 19時) (レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - くぅう かよさんずるい (2020年9月24日 18時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - さやさん» こちらこそありがとうございますーー!!!! 双子の名前まで考えてました。楽しすぎました。みんな幸せでよかった。。。 ありがとうございます!!!!! (2020年9月24日 18時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 素敵なお話が出来てる……弟が居て双子まで…なんて幸せ!!そして私の大好きな画像をここまで広げてくださりお二人には感謝です!ありがとうございました(^^)みんな幸せ!! (2020年9月24日 16時) (レス) id: 806d5009ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん/cayochi x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年8月9日 8時