もう恋なんてしないと決めたのに。

seven ページ8

Aside







嘘だと思った。




嘘だと信じたかった。









なのに…









なんでそんなにも瞳が





真剣なの？









『ねぇ…紫耀…嘘だよね…？』









紫「…嘘ちゃう。」









『なんでッ！？私を置いてかないでよ！！』









紫耀の、世界で活躍する







アーティストになりたい、という夢が







素直に応援出来なかった。









『お願いだからっ…1人にしないで…っ』









家族は居ない、友達も居ない。









紫耀の優しさを知ってしまったかぎり、







「行ってらっしゃい。」







の一言を言うことが出来なくなった。






紫「…今は行かへん。






やけど…





いつか、行くからな…？」









私は、首を縦にぶんぶんと振った。









『紫耀…、大好きだよ…』







紫「…っ、…俺もやで。」









この時、私は気付いてればよかったんだ。









紫耀と居れる時間が、





どんどん少なくなっていくことに。









月日は経ち、









付き合ってから、初めてのクリスマスの時期。









『紫耀っ、明日午前11時に


あのイルミネーションの下ね♪』







紫「あっ…うん、分かった。」









私は、なんで気付いてなかったんだろう。





紫耀の様子がおかしくなっていたことに。









後のことなんて考えず動く…








それが、私の悪いくせ。









その日も、待ち合わせの時間より







1時間前にイルミネーションの下に着いた。









『遅い…もう4時間経ってる。』








さすがにおかしいと思い、紫耀の家へ。









そこには…









紫耀の家だけしかなかった。








家具も、荷物も、何もかもない。









持っている合鍵で、中に入る。








すると、テーブルの上に手紙が。









嫌な予感がした。









だけど、開けないと何も始まらない。









私は、恐る恐る手紙を開けた。

eight→←six

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す