もう恋なんてしないと決めたのに。

thirty-four ページ35

Aside









チュン、チュン…









小鳥のさえずりで目が覚めた。









嫌な夢を見た。







廉が、お兄ちゃんで別れた夢。









パサッ…









上から、タオルが落ちてきた。









「永瀬廉」









と書いてあるタオル。









・









『夢じゃ…ない。』









知ってる。









夢じゃないことなんて。









・









でも、夢だったらいいなって思ったの。









『…っ、廉…』








タオルを抱きしめながら泣く。








ごめんね、本当に。





愛してたよ、廉。







幸せになってね。









止まらない涙を拭ってから、




学校へ行く準備をした。









行きたくない。









けど、廉に逢いたい。









どうせ、喋ってくれないだろうけど。







・









『よし、行ってきます。』









気を引き締めて、家を出る。









廉に、どうやって渡そう…とか、









あぁ、なんか緊張する…って






考えてたら、








あっという間に学校。









『はぁ、ほんと緊張してきた…』









緊張を紛らわす為に、好きな音楽を聴く。






ふぅ…やっと落ち着いて来た。









クラスに入ろうとすると、







？「あのっ、加藤さん…だよね？」






『は、はい…何か？』








？「ちょっと俺について来てください！」









そう言われ、連れてこられた屋上。









・









？「俺、神宮寺勇太って言います。








廉のことで、相談があるんですけど。」









・

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