月とピアノとスタンドマイク【ツキウタ。男主】

1 phrase ページ3

.


「あぁあやっと着いた！」


懐かしの祖国！日本！


イギリスを出てからテンションが上がる一方の俺は、とりあえず落ち着こうと深呼吸一つ。


「…よし、まずは皆と合流しないと…」

春「おーいA！こっちこっち！」

「はるっ!!!」


深呼吸で鎮めた筈のテンションが、再び急上昇。しかもご丁寧に、今度はさっきより高く！


「はーるっ！」

春「ちょっ！…もぅ、危ないから抱きつかないの！」

「とか言いながらぐるぐる回してくれるのは何処の誰ー？」

春「うん、俺♪」


相変わらずの優しい笑顔で、俺を抱き締めて頭を撫でる春。あぁぁあ帰ってきて良かった！

それから、


「はーじめっ！」

始「っ！…だから抱きつくなって」

「ホントは嬉しいくせに〜」

始「落とすぞ」

「ふふ、ごめんごめん！」


はぁ、と溜め息をつく始。
それでも、彼の両手は俺を抱き締めたままで、目元も少し緩んでいる。相変わらず素直じゃないヤツ。


月城「上月君、お待ちしていました。日本にお帰りなさい」

「ありがとうございます。初めまして、月城さん。よろしくお願いします」


マネージャーの月城奏さん。
ぺこりとお互いに頭を下げる。顔を上げると、柔らかな微笑みが俺を直視した。
うわぁ可愛い…。


月城「早速ですが移動しましょうか」

「ですね、社長さんにもご挨拶しないとですし」

月城「話が早くて助かります」


もう一度会釈を交わすと、こちらですと月城さんが先頭に立った。

歩き出すとすぐに、目敏い春が手を差し出す。


春「ほら、荷物貸して」

「いいよいいよ！疲れてるでしょ？」

始「いや、今日はオフでな。そんなに疲れてないんだ、珍し、くっ」

「ちょっ始！え、いや春っ」


始が、俺の右手から荷物をかっさらう。そしてそれに気を取られた隙に、左手の荷物も奪われた。
何なんだよこのチームプレー。息ぴったりじゃん。


始「久々のお前なんだ。俺達にも甘やかさせろ」

春「そうだよA。俺達の我が儘、聞いてくれない？」

視線を逸らす始と、しょぼんとこちらを覗き込む春。
その顔やめろ！断れないだろ！


「分かったよ…」


そう答えると二人は顔を見合わせ、してやったり、というようににっこりと笑った。

本当に何なんだよこのチームプレー…。



.

2 phrase→←紹介

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す