拘束 ページ6
「も〜、坂田銀時さん遅いですよぉ〜」
前でAが軽やかにぴょんぴょん跳ねている。
これ持ってて普通に歩けたAが信じらんねェ。
「早く〜」と、どんどん先に進んでいくAの足が、唐突に止まった。
その眼はある路地を見つめて、固まっている。
___いや見えてんのかわかんねェけど。
「おら、さっさと歩け!!」
「ひッ……、やめてくださ…ッ」
Aの見つめている路地から役人に引きずられるように現れたのは、まだあどけない少女。
その少女は、手で目を覆っていた。
(桃花眼、か)
最近、さらに強化された『桃花眼』を持つ人の迫害。
少女の目から手が離されて、彼女の眼が露わになる。
瞳の色は桃の色で、他の人とは少し違う切れ長の眼の形。そして、長いまつ毛。
その切れ長の目からは、妖艶の2文字が思い浮かぶ。
その少女は、車に無理やり乗せられ、どこかへ連れていかれてしまった。
それを見ていた人は、哀れむも役人を責めるもなく。
『 桃花眼なんて、 』
という言葉がひそひそとあちこちで聞こえた。
「…………何で、」
「あァ?」
やっとのことAに追いつき、リュックを下ろすと、握るAの拳がキツくなっているのに気がついた。
でも、ふーっと息を吐いて、Aはこちらを向いて笑ってみせた。
「あの子、まだ小さいのに何で連れて行かれないとダメなんですかね」
政府も酷いことするよなぁ、とAは再び歩き始め、
「いてっ!?」と電柱に激突していた。
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よぞら(プロフ) - はじめまして!今更ながら、読ませていただきました!最後の最後で、実は、、という終わり方にすごくゾッとしました!素敵なお話をありがとうございました! (2022年9月8日 13時) (レス) @page40 id: ecb3bbe5b4 (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - (^^)vさん» ありがとうございます! (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - みささん» ありがとうございます! そうですね、とうかがん、と読みます! 注釈をつけずにすみません;; (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
(^^)v - 更新頑張って下さい。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです!応援してます!桃花眼ってなんて読むんですか?とうかがん? (2018年12月25日 21時) (レス) id: 817345b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるち. | 作成日時:2017年11月10日 20時