epi. ページ38
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かつて、人々から忌み、嫌われる女がいた。
人々から、罵倒の言葉を浴びせられ、後ろ指を指される存在であった世で、
その女が出会ったのは、宇宙一バカなサムライ、と形容される者。
女はその男に問うた。
『 なぜ、貴方は私を愛するのですか? 』
男は鼻で笑い、女の髪をぐしゃぐしゃと撫で回してからぶっきらぼうに言い放った。
『 愛する理由なんざ必要ねェだろ。
気ィ付いたら惚れてた 』
と。
女は、幸せそうな色を瞳に宿して、笑った。
『 貴方らしいですね 』と。
そう笑う女に、男も笑った。
男は女の腰を引き寄せては、深いキスを落とした。
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桃花眼【とうかがん】
切れ長の目、色素の薄い瞳、長い睫毛を待つ目のこと。
その眼は古来、麗族という天人がもたらしたと言われている。
70%は両親の遺伝により、残りの30%は突然変異による。
その瞳を見ると、異性の心は操られる、と古くから言われる。
_________心を操られた者は最後、命まで喰われると言う。
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「___…やっぱりねィ」
男は妖しげに嗤っては、『絶滅した星々に住んだ人』という本を閉じ、刀を携えて街へ繰り出した。
____彼の見込んだ男が彼女の正体を見抜けなかったことに小さな絶望を抱えながら。
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よぞら(プロフ) - はじめまして!今更ながら、読ませていただきました!最後の最後で、実は、、という終わり方にすごくゾッとしました!素敵なお話をありがとうございました! (2022年9月8日 13時) (レス) @page40 id: ecb3bbe5b4 (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - (^^)vさん» ありがとうございます! (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - みささん» ありがとうございます! そうですね、とうかがん、と読みます! 注釈をつけずにすみません;; (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
(^^)v - 更新頑張って下さい。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです!応援してます!桃花眼ってなんて読むんですか?とうかがん? (2018年12月25日 21時) (レス) id: 817345b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるち. | 作成日時:2017年11月10日 20時