曖昧な ページ4
Aはこの屯所に来た時からずっと何かしら眼を隠すものを着けていた。
……まあ、気にならねェっつったら嘘にはなる。
「そのアイマスクが問題なんでィ。
ここ訪ねて来る客に茶を吹っかけるんでさァ」
「あー……」
苦笑いしながら、さっき濡らされた部分を撫でた。
Aが出て言った時に開けたままにした障子から風が吹いていて、それが服を冷やして行く。
障子を閉めて、伸びをした。
「アイマスク外しゃあいいんじゃねェの。
ウチで預かる必要なんて…」
「あいつァ何があってもアイマスクを外さねェ」
「んなこたァねェだろうよ」
「それがあるんですぜ、旦那。
俺たちゃ一回Aの１日を見張ってたことがあるんでさァ。
寝てる時も、泣いてる時も、料理をしている時も、」
そこまで一気にいい、一呼吸置いてから、
「風呂入ってる時も」と付け加えた。
「いや真選組何やってんの、それ犯罪じゃねェか！
取り締まる側が何取り締まられる側に回っちゃってんの！？」
「いやァ、いい身体でしたぜ」
「いやアウトじゃねェか！」
「何の話してるんですか？」
タオルを手に持ったAが障子を開けて、中に入ってきた。
そして、「先程はすみません」とタオルを渡してくれる。
「お前のことでィ」
「えー、またまたぁ」
「ってことで旦那ァ、Aのこと任せやしたぜ」
えっ、とでも言いそうな顔でAが俺と沖田クンを交互に見た。
沖田クンに曖昧にはぐらかされたアイマスク。
(何なんだよ……)
面倒事が増えそうな気がした。
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よぞら(プロフ) - はじめまして！今更ながら、読ませていただきました！最後の最後で、実は、、という終わり方にすごくゾッとしました！素敵なお話をありがとうございました！ (2022年9月8日 13時) (
レス) @page40 id: ecb3bbe5b4 (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - (^^)vさん» ありがとうございます！ (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - みささん» ありがとうございます！ そうですね、とうかがん、と読みます！ 注釈をつけずにすみません；； (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
(^^)v - 更新頑張って下さい。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです！応援してます！桃花眼ってなんて読むんですか？とうかがん？ (2018年12月25日 21時) (レス) id: 817345b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるち. | 作成日時：2017年11月10日 20時
