【銀魂】桃花眼【坂田銀時】

矛盾 ページ25

「ひぇ…ッ」




そんな風な悲鳴を上げ、Aの目があらわになった。

急に差し込んだ外の眩しさに眼を瞑っては、ゆっくりと開けていく。


切れ長で、瞳はグレーに似た白。
まつげはくるんと長い。

(おまけに、この端正な顔立ちと来りゃあ…)




「ごッさ可愛いヨ！ A！」


「…ッや、見ないで！！」




興奮気味にAの眼を覗き込む神楽に、
Aは眼をその手で覆い隠した。


「あなた達を堕としてしまう」というAの声は震えていて、何かに怯えている。


" 目を見ると、堕とされる。"


突如貼られたレッテルがAを怯えさせているに違いなかった。
合わせたくても、合わせられない目。
合わせたとしても、きっと裏切られる。

縮こまっているAの頭を荒っぽく撫でた。




「A、考えてみろ。
お前と目が合った神楽は堕ちてンのかどうか」




Aの話を聞いて見て、ちょくちょく引っかかる矛盾。
それが今、確信となって言葉に出る。




「神楽も、お前の目を見た沖田クンは堕ちちゃいねェ」


「………そういえば、」




その矛盾。
政府が発表している、
" 桃花眼は、目が合うだけで身を滅ぼされ、地の底まで堕ちる "という言葉。

だが、目の合った神楽が"堕ちた"様子を見せない。


堕ちるのに、もし時間がいるとしたら、沖田クンは堕ちちゃいねェのはおかしい。




「もしかしてお前、ねぇちゃんに似てたんじゃねェの」


「なん、でそれ…！」




目を塞いだままAはこちらに顔を向けた。




「だからお前みてェな桃花眼を排除し始めたんだ。

一度見たら忘れられねェ、その眼を持つ奴、なおかつ憎い女に似てる奴を」

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