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安心感 ページ21

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バリンッ



私の口を覆い隠していた手が、服に伸びた時だった。
玄関の方で、何かが割れる音が響き渡る。




「ありィ、ここに"桃花眼"がいるって聞いたんですけどねィ」




特徴ある喋り方が玄関から声が聞こえた。
チッと舌打ちをして、役人が玄関の方へ行く。

服をちゃんと着、窓から逃げようと準備をしていると、




「ぐっあ、」


「オイオイ、そっちから喧嘩ふっかけてきてそりゃあねェやァ」




よろよろと役人がこちらへ戻ってき、後を追って歩いて来たのは、茶髪で端正な顔立ちな男の人。
そして手には血濡れた刀。

よくよく見れば、役人の頬には切られた跡がある。


勝ち目がないと踏んだのか、役人は私の腕を引き、私の首元に刀を向けた。




「さっさと去れ。見なかったことにしろ。

さもなくばこの女の命、俺が貰う」



「奪えねェよ」


「は、」




まさに、軽やかな所業だった。

ふっ、と身体が見えなくなったかと思えば、役人がゆっくり倒れて行く。
そして、彼がスタッと降りたった。

この一連の流れ、10秒もなかったように思えた。




「……よォ、"桃花眼"」



妖しい目をしたその人が、ゆらりとこちらへ来た。

私が後ずさりをすると、「…ありィ?」と彼は首を傾げた。




「"桃花眼"の目を見るだけで誘惑され、人は堕ちる、って聞いたんですけどねィ」


「ゆ、誘惑なんて…!」


「……あァ、そういうこと」




何かに納得すると、ニヤリと笑った。
そして、血濡れた刀をその鞘にしまうと、私が置いていた包帯で私の眼を隠した。




「え、ちょっ……」


「匿ってやらァ、大人しくしとけ」




その声に、やっと安心できた気がした。




.

おばちゃん→←役人



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よぞら(プロフ) - はじめまして!今更ながら、読ませていただきました!最後の最後で、実は、、という終わり方にすごくゾッとしました!素敵なお話をありがとうございました! (2022年9月8日 13時) (レス) @page40 id: ecb3bbe5b4 (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - (^^)vさん» ありがとうございます! (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - みささん» ありがとうございます! そうですね、とうかがん、と読みます! 注釈をつけずにすみません;; (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
(^^)v - 更新頑張って下さい。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです!応援してます!桃花眼ってなんて読むんですか?とうかがん? (2018年12月25日 21時) (レス) id: 817345b6d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるち. | 作成日時:2017年11月10日 20時

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