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アイマスク ページ3

Aは、つい2ヶ月前に真選組の屯所で住み込みで働き出した女の子。

小柄な体つき、サラサラの黒い髪の毛、透き通るような声。
美少女、と呼ぶに相応しいような子だ。
しかし、"美少女"にも欠点があるわけで。


Aは障子を閉め、お盆に乗せた湯呑みがこぼれないようにゆっくりとしゃがみ、沖田クンの前にお茶を置く。



「坂田銀時さんっ、お茶です!!」


「おー、悪りィーー…あっつ⁉」




お茶が盛大に俺の太ももにぶち撒かれた。
あらあら、と笑うA。いや笑ってる場合じゃねェわ!!
濡れた箇所を乾かしていると、Aが、「あぁ!」と何かを思い出したかのように部屋を出て行った。

沖田クンはAが出て行くのを見終えると、真剣な顔をした。




「よく聞いてくだせェ旦那。
今日旦那を呼んだのは他にねェ、Aのことでさァ」


「あァ?」


「Aを万事屋で預かって欲しいんでィ」




Aは慌てて出て行ったのか、開いたままの障子から吹く風が、濡れた服を乾かす。

俺は沖田クンの言葉を繰り返して見た。



「預かる、だと?」


「そうでさァ。
Aをここに置いておくと土方が怒るんでねィ」




沖田クンは目の前に置かれたお茶をグイッと飲み干し、息をついた。

目を伏せ、続ける。



「旦那は気にならねェんでィ?


ーーAのアイマスク」




Aの欠点。それは、


Aの眼を常に覆い隠している、真っ黒なアイマスクだった。

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よぞら(プロフ) - はじめまして!今更ながら、読ませていただきました!最後の最後で、実は、、という終わり方にすごくゾッとしました!素敵なお話をありがとうございました! (2022年9月8日 13時) (レス) @page40 id: ecb3bbe5b4 (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - (^^)vさん» ありがとうございます! (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - みささん» ありがとうございます! そうですね、とうかがん、と読みます! 注釈をつけずにすみません;; (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
(^^)v - 更新頑張って下さい。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです!応援してます!桃花眼ってなんて読むんですか?とうかがん? (2018年12月25日 21時) (レス) id: 817345b6d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるち. | 作成日時:2017年11月10日 20時

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