将軍様 ページ19
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家の様子を見る限り、ママもお姉ちゃんも連れて行かれたに違いない。
連れて行かれたのは多分、将軍様のところ。
(いつも助けてくれたお姉ちゃんとママを次は私が助けなきゃ)
一応のため、救急箱に入れてある包帯を目に巻き、手探りで外へ出る。
目が遮断されている分、音がすごく大きく聞こえた。
人の話す声、車の音、かすかに聞こえるこの辺に棲みつく野良猫の話し声。
少し怖いな、なんて思いながら、ゆっくりゆっくり歩みを進めた。
お姉ちゃんがお城で働いていたから、よくお姉ちゃんを迎えにお城へ行った。
(道は身体に染み付いてる…!)
ゆっくり、ゆっくり歩みを前に進め、いつもの倍以上に時間をかけていった。
お城へ到着すると、包帯を解くと、丁度お城から将軍様が出ていたところだった。
「将軍様!!!」
お姉ちゃんは、将軍様直々にご指名なさった女中。
将軍様と仲良く頑張ってる、とお姉ちゃんは言っていた。
将軍様に声を掛けると、こちらを振り向き、訝しげな表情をした。
「『桃花眼追放令』、ってどういうことですか…?」
「……あァ、お前は」
私の顔を見るや否や、口の端をニヤリとあげては、「何の用だ」と付け足した。
「姉は、どこですか…?
将軍様、姉を気に入られて__」
「もうあんな下劣な女は必要ない」
私の声を遮り、将軍様の発した言葉に私は言葉を失った。
そして、ギリギリと歯軋りをしては。
「私があれほど愛してやったと言うのにあの女___、」
まぁよい、と将軍様は私の目を見据え、
「私をたぶらかした"桃花眼"はもう見たくもない。
この世から消え去ればよい」
と高らかに笑った。
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よぞら(プロフ) - はじめまして!今更ながら、読ませていただきました!最後の最後で、実は、、という終わり方にすごくゾッとしました!素敵なお話をありがとうございました! (2022年9月8日 13時) (レス) @page40 id: ecb3bbe5b4 (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - (^^)vさん» ありがとうございます! (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - みささん» ありがとうございます! そうですね、とうかがん、と読みます! 注釈をつけずにすみません;; (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
(^^)v - 更新頑張って下さい。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです!応援してます!桃花眼ってなんて読むんですか?とうかがん? (2018年12月25日 21時) (レス) id: 817345b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるち. | 作成日時:2017年11月10日 20時