疑問 ページ15
そこへ座ると、すぐに湯気立ったお茶が運ばれてくる。
「オイオイ、随分対応がいいじゃねェか」
「大事なお客さんなんでねィ」
心にも思ってなさそうな台詞を吐き、沖田クンもさっさと俺の前に座った。
本題に入る前に、出されたお茶をいただく。
「Aのアイマスクのことですよねィ」
「…ご名答」
程よく暖かいお茶が、体の隅々まで行き渡るのを感じながら、俺は沖田クンに目線を向けた。
沖田クンは、頭をガシガシと掻いてから、息をついた。
「旦那もわかってんでしょ、Aは桃花眼だって」
「…あァ、あんな分かりやすかったら分かりたくなくても知っちまうわ」
「Aは、虐げられていたところを俺が保護してやったんでィ。
Aの詳しい情報は何一つわからねェ。あいつが喋らねェから俺は聞かなかった、そんだけでさァ」
沖田クンが欠伸をして、続ける。
「俺がAの眼がそうだって知ったのは、風呂覗いてた時、」
「いやそれマジでやってたの。
警察が覗きとか世も終わっちまってんじゃねェか」
「Aの瞳は、普通の奴らとは違ェ目をしてたんでィ。
間違いねェ、あれァ桃花眼だ」
お茶を飲み、沖田クンは息を吐くのと一緒に呟いた。
ただねィ、と俺が聞こうとしていた疑問を聞く前に答えてくれた。
「あの眼を見た俺ァ堕ちちゃいねェ。
"魔女の眼"なんざまやかしに過ぎねェ、ってことでさァ」
「なら何で____、
桃花眼の奴らは迫害されてンだ?」
さァねィ、と小さく呟き、沖田クンは立ち上がった。
そして、襖を開け、「んじゃァ、俺はやることがあるんで」と出て行った。
話に夢中になっていたせいか、お茶は冷めてしまっている。
そのお茶を一気に流し込み、立ち上がった。
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よぞら(プロフ) - はじめまして!今更ながら、読ませていただきました!最後の最後で、実は、、という終わり方にすごくゾッとしました!素敵なお話をありがとうございました! (2022年9月8日 13時) (レス) @page40 id: ecb3bbe5b4 (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - (^^)vさん» ありがとうございます! (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - みささん» ありがとうございます! そうですね、とうかがん、と読みます! 注釈をつけずにすみません;; (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
(^^)v - 更新頑張って下さい。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです!応援してます!桃花眼ってなんて読むんですか?とうかがん? (2018年12月25日 21時) (レス) id: 817345b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるち. | 作成日時:2017年11月10日 20時