眼の感情 ページ12
風邪というものは凄い。
人を、人が恋しい感情に貶めてしまう。
俺もその犠牲者の一人だ。
「銀時さん、お水と氷枕です」
「お、おー」
名前を呼ばれただけでどぎまぎしてしまう。
最近の風邪はすごい。
「銀さん! 大丈夫ですか?」
襖を騒々しく開け、新八が入ってきた。
どうやらAが新八に連絡をいれたらしい。
「ただの風邪っぽいですね、よかったァ」
「新八さん、銀時さんの看病任せてもいいですか?
私、夕ご飯作らなくちゃ…」
「あ、任せてください!Aさん!」
(……いつの間に仲良くなったんだ)
なんて考えながら、Aが冷やしてくれたタオルを額に乗せた。
やはり、人間、目が重要な役割を担っていると思う。
声色、口角もそうだが、やはり人に何か感情を見せる時には、目が大切だ。
(Aの眼が、見たい)
言葉を交わしていくうちにそう思うようになるのは至極当然なことで。
「もー、銀さん。
昨日、どうせあのままソファーで寝ちゃったんでしょ?
だから__、」
「なァ新八」
長くなりそうな新八の説得を遮り、額に乗ったタオルを取り、俺は上半身を起こした。
「総一郎くんと連絡を取ってくれ」とも言い。
「まだ熱高いんですから」と新八が静止するのは正しいかもしれねェけど、今は正しくねェ。
「新八。Aに気づかれねェよう外出る手伝いしろ」
わかったな、と念押しすると、観念したかのように「はいはい」とヤツは掛けてあった俺の着物を渡してくれた。
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よぞら(プロフ) - はじめまして!今更ながら、読ませていただきました!最後の最後で、実は、、という終わり方にすごくゾッとしました!素敵なお話をありがとうございました! (2022年9月8日 13時) (レス) @page40 id: ecb3bbe5b4 (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - (^^)vさん» ありがとうございます! (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
まるち.(プロフ) - みささん» ありがとうございます! そうですね、とうかがん、と読みます! 注釈をつけずにすみません;; (2018年12月26日 1時) (レス) id: b503c86c9b (このIDを非表示/違反報告)
(^^)v - 更新頑張って下さい。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです!応援してます!桃花眼ってなんて読むんですか?とうかがん? (2018年12月25日 21時) (レス) id: 817345b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるち. | 作成日時:2017年11月10日 20時