39*side R ページ39
*
家に帰ってご飯を食べて、リビングでAと話す時間が好きだったりして。Aはなんにも言わないで溜め込むから話を聞いてあげなきゃって思う。
「その田中さんって人厄介だね」
「ほんとに。なんで否定しないのかな」
「逃げられたとか言えないんじゃない？モテるんでしょ？プライドも高そう」
「モテる、んだと思うよ。みんなかっこいいって言ってるから」
「Aも、かっこいいと思う？」
「…整ったお顔立ちをされてるとは思うけど、私は好きじゃないかな。りょうくんの方がかっこいいよ」
「別に俺はかっこよくなくていいけど、Aがその人のこと好きじゃなくてよかった」
かっこいいと思うって言われたらどうしようかと思った。いやどうにもできないんだけどね。
それにしても。無視するとか本当子供じゃないんだからさ。ただでさえAは、高校時代同じようなこと経験してるのに。あの時もわんわん泣いて、てつやと俺で慰めた記憶がある。
「高校の時のことりょうくん覚えてる？」
「覚えてるよ」
「てっちゃんがいて、りょうくんがいて、みんながいたから私は大丈夫だったの。今もね、しんどいなって思うけどりょうくんがこうして話聞いてくれたり、迎えに来てくれたり、すごいうれしい」
だから大丈夫ってAは笑った。
強がってるようにも見えるけど、Aが大丈夫って言うなら信じるしかない。あの頃より強くなったんだよーなんて言いながら力こぶを作るAがかわいい。出来てないけど。
「りょうくんはよく頭撫でてくれるね」
「嫌？」
「すき」
「かわいすぎ」
そういえば、この前虫さんに君達その距離感で付き合ってないとかふざけてんの？って言われたことを思い出した。それについては俺も考えてるけど、元彼のこともまだちゃんと聞けてないからね。Aがここにいてくれれば、ゆっくりでいいかな。
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花(プロフ) - ななさん» 温かいお言葉ありがとうございます！拙い文章ではありますが、続けて書いていけるように頑張りたいと思います！ (2019年4月23日 23時) (
レス) id: 20c6cc5c87 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 初めまして！素敵な読み物ありがとうございます(*'▽'*)これからも作者さんのペースで投稿待ってます…！ (2019年4月22日 19時) (レス) id: 52db76b921 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花 | 作成日時：2019年4月13日 20時
