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「虫さん隊長、てっちゃん起こしてきましたであります!」
「お疲れ様〜、A隊員。背後霊連れてきたの?」
リビングに戻ったら虫さんがおかえりって迎えてくれた。背後霊、私の背中にぴったりくっついて離れないてっちゃんを指して虫さんが言った。最初は、りょうくんが引き離してくれたりしたんだけど、あまりにもしつこくてこれもう無理だって諦めました。私もりょうくんも。
「てっちゃん離れて」
「やだ」
「拗ねてるの?」
「べつに」
拗ねてる。誰から見てもこれは拗ねてる。背中に張り付かれてるから、表情は見えないけど、声と雰囲気でわかります。だって幼なじみだもん。
りょうくんと虫さんは、こうなることがわかってたみたいにやれやれって顔でこっちを見てる。
拗ねたままのてっちゃんを虫さんが、撮影するから行くよって連れていく。さすがのてっちゃんも撮影って言われたらちゃんとするみたいで、わかったって虫眼鏡さんの後を追いかけて行った。
りょうくんと二人残されたリビング。
「A、ちょっとこっち来て?」
りょうくんにそう言われて、近づけば、後ろからぎゅって抱きしめられた。え?あのりょうくんさん?どういう状況でしょうか???顔から火が出そうなくらい熱い。てっちゃんの時はそんなふうに思わなかったのに。やっぱりこれはりょうくんのことが好きってことですよね。うるさい心臓静かにして。
「りょうくん?」
「てつやの真似」
「背後霊ごっこ?」
「そう。恥ずかしい?」
「……はずかしい」
「あと30秒だけ我慢して?」
長い長い30秒が経った頃、ふわってりょうくんが離れていった。なんていうか放心状態の私の頭をぽんと叩いてりょうくんがリビングを出ていった。ええええなにこの状況わたしここで死ぬ?
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花(プロフ) - ななさん» 温かいお言葉ありがとうございます!拙い文章ではありますが、続けて書いていけるように頑張りたいと思います! (2019年4月23日 23時) (レス) id: 20c6cc5c87 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 初めまして!素敵な読み物ありがとうございます(*'▽'*)これからも作者さんのペースで投稿待ってます…! (2019年4月22日 19時) (レス) id: 52db76b921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年4月13日 20時